忍者と極道 第70話 SOS 感想

グラスチルドレンには徹頭徹尾救いは無い。自身に全く落ち度がない理由から人の道を踏み外したとしても、その先は自分達の意思で札戮に手を染めた以上、待つのはインガオホーのみ。

ユリリリだけでなく、ワレンジャーをはじめとした他のグラチル達も、テクノビギンズ達の前には成すすべなく退場(リタイア)。大人達の悲鳴と血で描かれていたはずの地獄絵図は、トメたんの到着により一転。その続きはグラチル達の血で描かれる。

ワレンジャーは自分達を戦隊と名乗っていた為、戦隊モノが好きな子ども達だったのかと思いきや、”詰み”の状況で最初の札人に手を染める際、自分達は正義のヒーローだと立ち上がった時の名残。回想を見ると、その時はまだ子どもらしい感性があったはずなのに、60話で生徒会役員共を狩っていた時の様子と見比べれば、そこからどうしてここまで堕ちてしまったのかと言いたくなる程。

「悪い奴等をやっつける正義のヒーロー」として最初の札人を犯した彼らは、気づけば自分達が「悪い奴等」となっていて、「正義のヒーローにやっつけられる」という余りにも救いようのない末路を迎えて退場。

「空想のヒーロー達への憧れ」を持っていたのは大人もグラチルも同様だったはずなのに、正しい道を歩んで生きてきた大人は憧れの存在に救われ、人の道を外れた子どもは悪として憧れの存在に裁かれる。普通ならこういう構図は悪い大人と助けられる子どもになるはずなのに、その逆になっているのがグラチルの設定のヤバさを改めて物語る。

スマホ越しに届くグラチル達の断末魔も悲痛極まりない。ガムテへの感謝を告げる者もいれば、壊れたようにごめんなさいと言い続ける者、推しに頃されるという最悪の最期を迎える者、自分が裁かれる悪だと自覚し悟ったかのように呟く者も。過去形で好きだった奴も今でも好きな奴も、等しく悪としてヒーロー達に裁かれ退場していった。

そして残されたガムテの前には、こんな凶行に及んだにも関わらず曇りなき目と言葉で手を差し伸べようとする愛多間七総理。友まで皆頃しにされてもこの行動が出来る間七ちゃん、あんた善性の塊か?流石にこれにはガムテもグチャグチャにかき乱されたように見えたが・・・絞り出すように出た「遅いよ」という言葉がガムテ自身、引いてはグラスチルドレンという存在を代弁している。本当に、何もかもが遅過ぎた。

最早全てが失敗に終わり、遂に間七ちゃんを葬ろうとしたガムテだったが、ここで間七ちゃんを頃してしまったら今後もグラチルは生まれ続けるだろうという

ここで到着の忍者(しのは)君とトメたん。これで間七ちゃんはもう大丈夫だろう。あとはガムテとの決着を残すのみ。さぁ今度はどんな戦いを繰り広げる、忍者と頃し屋?

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