恨み来、恋、恨み恋。 10巻 感想

恨みに染まった猫と、恋を知った猫。

十二支妖怪ラブコメ「恨み来、恋、恨み恋。」の10巻が発売になりました。恨み恋もこれで大台の二桁、10冊目の単行本。恨み猫の襲来から始まった十二町での騒動の数々。遂にその黒幕である、夏歩とは違う恨み猫、猫ヶ崎冬歩が本格的に表舞台に登場です。

今回もとらのあなで買いましたので、これでとらの店舗特典も10冊揃いました。私より凄い人は他の店舗の特典も全部揃えていたりするのでしょうが、流石にそこまでは。

恨み猫と子国

町の中心部、十二町の神様がいる祠で全を待っていたのは、かつて自分たちの前から姿を消した恨み猫、猫ヶ先冬歩。彼女の恨みは郷一自身だけでなく、自分を捨てて選んだ十二町そのものに向けられており、町を滅ぼすこと自体が彼女の復讐であり動機。

今巻は全体の半分くらいが回想となっており、かつて郷一と全、そして冬歩に何があったのかが判明します。彼らだけでなく、今となってはただの婆さんである二世さんも、実は今とは似ても似つかないような明るい美少女・・・嘘だろ・・・?

1巻で恨み猫には歩み寄る姿勢を見せず排除する姿勢を崩さなかった郷一でしたが、彼自身が恭一のように恨み猫の冬歩に出会い、惹かれるも彼女を止められず町から排除するしかなかったという、誰よりも恨み猫のことをよく知り苦しんだからという背景がありました。全は以前郷一について、愛する女を捨て子国らしく成り果てたとさらりと言っていましたが、実はそれが恨み猫だったと。

郷一も恭一も、当主を継がない・恨み猫に惹かれた・妹がいると、状況は本当にそっくり。であれば、郷一が自分のような失敗を繰り返させたくなかったのも納得。実際には恭一も夏歩も、かつての郷一と冬歩のようなことにはならず、恨みすら上回る程の恋を芽生えさせたのですが。恨みに染まった冬歩と、恋を知った夏歩。恋した相手を手放した郷一と、ずっと傍にいる恭一。同じ恨み猫と子国が、どうして過去と今でここまで異なってしまったのでしょうか。

最後の十二家がご登場

神様をも殺し取り込んだ冬歩は、全ですら歯が立たない程の凄まじい力を得てしまいました。間一髪で遥菜、そして透也が加勢に入るも、確実に殺したはずの攻撃を受けても尚冬歩は立ち上がり、年神の遥菜まで戦闘不能に。どうにか子国本家へと逃走した全達。対抗策を得る為に巳川家が招集されました。

これまで一切出てこなかった最後の十二家、蛇の巳川家。その当主はどんな人かと思いきや、ちょっと地味な眼鏡の巫女さん・・・え、違う?他の家とは違い、子孫が代々力を継承するのではなく、子孫は初代当主の魂を呼び出す力を持ってはいますが当主ではないとのこと。つまり子孫が生まれて何百年と続いてるのに、当主は永遠に初代様ですか。

でまぁ、その呼び出された当主なんですが・・・骨格すら変わってるじゃないですか。知ってますよ、これ倉院流霊媒道って言うんですよね?初代当主の巳川忠光、数百年前に恨み猫と対峙した彼にも打開策は思い当たらなかったようですが、夏歩の姿を見て何かを思いついた様子。流石は十二家の初代当主、全ですら知らないことも知っている様子ですが、彼の知る恨み猫の秘密とは・・・この続きは11巻にて。

恋と町の行方は大詰めへ

恭一に対して大好きだと伝えた夏歩。恨みに染まった冬歩とは違い、今の夏歩の心には恨みをも上回る恭一への好意が実っています。しかしそんな彼女に、11巻では最大の試練が待ち受けます。避けられない冬歩との衝突、そして十二町の運命と、子×牛×猫の恋の行方は如何に。