ガールズ&パンツァー 劇場版Variante 4巻 感想

「ガールズ&パンツァー劇場版」のコミカライズ、劇場版Varianteの4巻が発売されました。今回の表紙はエリみほが目印。みほとは対照的なエリカのこの微妙な顔よ。

大学選抜との試合が決まった大洗女子学園。今回はそこから試合が始まるまでをほぼ1巻、北海道に向かう前、そして援軍到着から試合開始までを掘り下げています。

ちなみに購入はアニメイト。特典は会長でした。

大洗女子達は孤独ではない

試合が決まった大洗女子学園ですが、その裏でこっそり廃校を掛けた試合であることも聞いてしまっていた王大河。そしていつものバレバレの変装で潜入していたアッサム。中の人的にはダージリンですが、勿論のこと作中では接点はまるで無し。

しかし、アッサムは彼女に対し、得た情報をどう使うのか?と問い掛けます。結果として、大河が選んだのは試合をするという事実だけを広めること。戦車道受講者達の様子から何かを感じ取った人達もいたかもしれませんが、厳しい戦いへ向かう彼女達を生徒達と大洗の人達は心から応援して送り出しました。

各校の援軍よりも前に、何よりも大洗の戦車道には学校の生徒達と、大洗の人達が付いている。その人達の為にも負けられないと、そういう心で彼女達が試合へ向かったというのはとても良い補完になっているなと思います。船舶科の麻子の友達やせんしゃ倶楽部の人などをここで出してくるのも流石は伊能先生という所。

劇場版では最後に学園艦が見えた所で終わりますが、きっと港では、送り出した時のように皆が帰ってくるのを待っているのだろうなという想像が膨らみますね。

試合の前に・・・

そして始まる大学選抜戦、の前にやって来ました各校の援軍たち。転輪焼と紅子芋を土産に、各校に挨拶に向かう大洗の面々。が、何故か相手はエルヴィンと優花里はニーナ、柚子はヤクパン子、アヒルさんチームはルクリリと因縁のある相手ばかり。でもルクリリさんは何か違う気がする。だって効果音が「イチャイチャ」だもん、キャプテンのこと大好きかあなたはw

そしてテントでの作戦会議の後、徒歩で帰るみほと、それを見つけて送っていくエリカ。誰も見ていない狭い車輌の中で2人きり。伊能先生もかなりこの時期のこの2人の関係というのは気を遣って描いているなというのが伝わってきます。

険しい顔をしているのを咎めるエリカに対して、まほやエリカの前だと癖みたいなものだと言うみほ。みほにとっては、エリカは今でも自分が違う顔を無意識に出してしまう特別な存在であると。しかし大洗に行ってから楽しそうなみほに対して、エリカは言葉少なく。あんこうの4人の下へ向かうみほを見送るエリカの顔が、なんとも寂しそうなのが印象的な引きでした。

表紙のみほとエリカの後ろでは、2人を微笑ましく見つめている小梅とまほの姿があったりしますが、まほと小梅は2人が元の関係に・・・は戻れなくても、お互いにギスギスしないようになったことを喜んでいるのに、単にみほが少しエリカに遠慮し過ぎていて、エリカもみほに対して少し素直になれていないだけなのでは、とも思えます。ドリタンでもドラマCD3やVarianteよりはまだ改善されていますが、やっぱりちょっとお互い踏み込めてないし。この2人、本当に最終章の内にもう一度ぶつかり合ってほしいですよねぇ。

試合に関わる「全て」の人々

そして後半は、愛里寿を含む大学選抜の面々、審判団に理事長、家元ズと、大人達がメイン。アニメでは敵役と脇役でしかなかった人々が、試合前に何を思い、かたやどう試合に挑み、かたやどう見守っていこうとしたのかが描かれています。

特に大学選抜側の描写はほぼ無かったので(台本には削られたミミミの台詞がある程)、ここをガッツリ掘り下げてきたのは良い判断。

Varianteでは大学選抜側も当初の8vs30、しかもカールまで持ち出すという事態に当人達も困惑している上、愛里寿があまりに単騎で強い為に、日本中の大学から集まった選抜生達が意気消沈。しかもそんな愛里寿にはちよきちが廃校撤回を事前に伝えていたりと、事前の情勢とは裏腹に、大学選抜側も内部事情はガッタガタという解釈がなされています。

しかも愛里寿が強すぎる一方で、むしろ強いせいで彼女と他のメンバー達との間に立っているミミミも問題が山積みな中間管理職状態に陥っている、という状態。ミミミが奮起し、それに愛里寿も応えるという形で士気を高め、試合に望んだという繋ぎになっています。

確かにアニメの描写だと、もう愛里寿とセンチュリオンさえいればいいじゃんと言われますが、その状態はむしろ大学選抜にも愛里寿にも良くない状態であった、という形でそれを上手く利用した補完となっていますね。そりゃそうだわ、大洗側に参加した各校のOBだって数多くいるだろうに、そんな大学生達が中学生の年齢した少女単騎に勝てないとか、それでモチベーションを維持できるわけがない。伊能先生は大学選抜側こそ、大洗連合以上に試合直前まで問題山積みだったという解釈をされたようですが、個人的にはとても納得が行きますね。

それと理事長や審判ズ、しぽりんちよきちも一人一人に掘り下げがありましたが、ここまでする必要はあるのかという位、はっきりとしほがみほへの愛情を示していますね。本当にこの親子は不器用過ぎる、さっさと面と向かって話し合いなさい。

次回からはいよいよ試合が開始。貯めに貯めて遂に始まる試合シーン、ここからどんな風に描かれていくのが楽しみですね。