ちょくちょくと奈良県内の開拓をしていってる私ですが、奈良県人でありながら肝心な場所が未開拓であります。
そう、奈良市。
正確に言えば、奈良公園周辺。
県民以外のイメージする奈良の象徴、鹿の王国。そして県民でも奈良市と近郊以外に住んでる人にとってはイメージと異なる不思議な町。
6月15日まで、七支刀とかが見れる国宝展が開催されていたので、たまには県民らしくそういうのを見に行こうかなと思い至ったのが先週7日の土曜日。奈良駅で降りて三条通りを東に向かい、公園に入る前からその辺を鹿がうろついてるし所々にUNKOが落ちてて特有の臭いがする。そうだ、奈良市ってこういう町だったよ。年に1回は仕事で来てるけど県庁にだけ来て帰ってるからすっかり忘れてた。
そもそもあいつら、普通に道路も横断しますからね。奈良公園周辺と宮島だけは現代において生類憐みの令が有効ではないかと考えられる。
・・・で、奈良公園に入りまして、目的の国宝展の入り口へ行ってみたんですが・・・はい。なんか想像の500億倍、とんでもなく長い行列が出来ていまして。最後尾の場所がどっかで曲がってる始末で、確実に1時間以上は並ばなければいけないレベルな上に、ちょっと雨も降って来たので、これはもう無理だなときっぱり諦めた次第です、はい。
ですが、せっかく来たのにすごすごと帰ったんじゃあ勿体ない。元々、見終わったらどこか1,2軒適当に入って酒呑んだり、この辺りに酒造があったら寄ろうと思っていたので、そちらを主目的にスライドさせて酒呑み開拓ツアーin奈良公園周辺を昼下がりから始めたわけです。
ここは鹿と酒の町、奈良市
地図で言うと、この①②③④に、今回は足を運びました。
てなわけでまず1軒目。猿沢池の東側を南下していくと、ならまち通りという道に入ります。そのまま南下していくと、右手側に「元興寺」というのがあるのですが、その向かいにあるのが、③の「小川又兵衛商店 ならまち店」。
私ね、色々と奈良県内の酒造とかクラフトビールとか巡ってきたから、こう思ってたんですよ。「種類問わず、奈良県中の地酒が集まったTHE奈良県みたいな居酒屋とかバーはどこかに無いか?」と。ここにありました。
見てください、このビッシリと敷き詰めて店先に張り付けられたラインナップ。こちらのお店、日本酒は北は春鹿から南はやたがらすまで、そして各種のクラフトビール、ワインも香芝市の木谷ワインを揃えてたり、とにかく色んな種類の地酒を取り扱っている上、それ等を良いお値段で昼間っから提供してくれる、神のようなバーです。勿論、地酒以外も色々と完備。
というわけで、「奈良の地酒呑み比べ3種セット」を注文。大吟醸・純米酒・本醸造で3種類の奈良県の日本酒をたった600円で楽しめます。今回は大吟醸が「山鶴(生駒市・中本酒造店)」、純米酒が「貴仙寿(奈良市・豊澤酒造)」、本醸造が「春鹿(奈良市・今西清兵衛商店)」。
大吟醸らしい呑みやすさの山鶴、ちょいと辛口でキレのある純米酒の貴仙寿、プレーンな味わいの本醸造の春鹿。奈良の地酒は全部美味い。ここは酒呑みの国NARA、そして奈良の酒呑みの為の店、小川又兵衛商店だ。何も知らずうろついて一軒目に最強な店に巡り合ってしまった。ここは騙くらかしてでも人を連れてきたいお店だ。
さて、その小川又兵衛商店さんから南へ歩き、すぐに十字の交差点があるのでそこを左へ曲がって東へ歩いていくと、趣のある建物と歴史を物語るような右から読む看板がある④の「今西清兵衛商店」さんに着きます。そう、先ほども呑んだ、奈良県で最も有名な日本酒の一つ、「春鹿」の酒造です。
しかも、こちらでは試飲は勿論のこと、春鹿5種類の利き酒をやっている!?これは呑まざるを得ない。
というわけで色んな春鹿を味わったのですが、①の超辛口は自分が唯一知ってる春鹿だった。春鹿と言ったらこれ!みたいなイメージの味。が、一転して↑の青いラベルの②、季節の生酒はフレッシュでやや甘く、風の森や篠峰に近かった。③の熟成原酒や④の原酒も美味しくて、②~④は正直甲乙つけ難く、どれも美味しかった。
そして⑤がスパークリングなのですが、これにのみ奈良漬も付いていて、奈良漬けをポリポリしながら呑むことを推奨。甘いし6.5%という度数の低さもあり、奈良漬けにめっちゃ合います。というか、奈良漬け用の日本酒とでもいうべき代物です。もし奈良漬けと一緒なのであれば圧倒的に⑤。一つも微妙なものがなく、5種類全部美味しい利き酒でした。ここも人を連れて来させたい、というか何としても連れていきたいね。
あと、大阪万博のキャンペーンで、奈良県の酒造では缶バッジが貰えるみたいで、春鹿缶バッジを貰っちゃいました。梅乃宿とかでもやってるらしいので、新しい酒を補充するついでに貰いに行かないとなぁ。
その後、北へ歩いて近鉄奈良駅の入り口がある地下奈良近鉄ビルの地下1階へ。ここに②の、豊澤酒造さんの蔵元直営店「蔵元 豊祝 奈良店」があります。
既にそれなりに呑んでいたので、アテが3種ついた豊祝の純米原酒セットを注文。甘みも辛さも同居した味わいで良き純米原酒。更に奈々露(奈良県産の日本酒専用米)の豊祝もあったのでこちらも注文。ベースはやや辛口だけど、後味より口の中と喉を通る時の味わいを重視した日本酒という感じで、こちらも良き味わいでした。豊澤酒造さんの日本酒もその内1本買ってみたいなぁと思います。
でもって、これが最後と、結構な酔いが回っているだろうに、来た時点で三条通りを歩いた時に存在を確認していた、①の「YAMATO Craft Beer Table 奈良三条通店」に入りました。奈良市のブルワリー、大和醸造の直営店の一つ。
こちらではクラフトビール4種のセットにクリームチーズとドライフルーツのアテ、そしてろくな昼ご飯を食べていなかったので、ここでマルゲリータを注文しました。アテが意外と美味しかった。
ペールエールはビールらしいスタンダードな味わい、スタウトは黒ビール特有の強い苦味。IPAはラガーっぽい苦味、インディアペールラガーはなんか不思議なビール…?と、4種とも美味しいビールでございました。まぁあれだけ酔った頭で、どこまで味が分かったのかは今では自信がありませんが(汗 しかし、良いお店であったことは確かです。
他にも、「なら酒造なべ」なるメチャクチャ気になるお店や、今西さんの南に地ビールレストラン、小川さんとはまた別に奈良の地酒が楽しめるバーを見つけたりと、どうやら1回だけでは回り切れない程に奈良公園の周辺は凄いみたいです。
この辺の酒呑み処の事情を何一つ知らずにぶらつきましたが、初手の小川さんからして神で、今西さんも神、豊祝さんも大和さんも、みんな神!もう満足を超えた満足の1日でした。これはもう何度でも来なければなりませんとも、ええ。新たに人をお連れしたい奈良県内の酒呑みスポットに、奈良市がこの日加わりました。
御土産に買ったのは今西さんの酒造での限定販売のお酒と、小さい塗り桝。木の桝しか持っていなかったので、こういうの一つ欲しかったんですよね。
実際に使うとこんな感じ。良い買い物をしました♪
方針を変更、奈良市の酒造とかクラフトビールを回る! pic.twitter.com/Xqx2y0D0WP
— もみじ (@momiji_mypace) June 7, 2025
今回の酒呑みは一つのツリーにしていますので、まとめて見る方は↑こちらからご覧下さい。