ワールドトリガー 第236話 鳩原未来 感想

ウワー!ウワー!!ウワアアアアアアア!!!

実質的な前日譚である「ワールドトリガーゼロ」の一つ、鳩原未来の失踪当時の話が遂に来てしまいました。一週間前のチラ見せの1ページからしてもう期待値MAXで待っておりましたが、想像以上の濃密な過去編過ぎて、ワ民はあたまがこんらんしている!

過去のあれもこれもこんな綺麗に結びついてるなんてことある?


お盆のQ&Aを見た時、犬飼がサブのスコーピオンを使い始めたのは何となくB級に降格した後だと感じて、弾バカへ二宮が師事したのも同じ頃なのかなと思っていたのですが、実際は降格前だったんですね。鳩原が人を撃てなくても遠征に行くことを目指す為にA級一位という目標を立てた為に、更に向上が必要になったと。なら、犬飼もそれを見てサブのスコーピオンを使い始めたのかもしれないなぁ。

しかも経緯も経緯で、一度断られてるのに「・・・出水!」って去ろうとする所を珍しく声を荒げて?頭も下げて呼び止めていたわけだから、もうあの時点から必死だったのが分かるのがね。その直後に鳩原が失踪したわけだから、出水が本編中にちょくちょく二宮と一緒にいたのも、真相を知らなくても二宮を心配してた部分があるのかもって思った。

そこまで決意してたし、この5人でA級1位になるぞって隊の意志を確信した鳩原が自分達には何も言わず、自分達より協力者を選んだんだから、二宮が明らかショック受けてたのも必然だよなぁ。この回想、鳩原とユズルが電話してる時に鳩原が隊服着てたから、下手すりゃ上層部への直談判から失踪まで1日で起きてることだよ?

おまけに自分達もショックだったはずなのに、それを察して気遣えるひゃみさん達、本当に高校生か?焼き肉屋での様子も、二宮があの場にいたから気にしてない風だっただけで、実際は3人ともまだ割り切れてなかったりしてる可能性もあるのかな・・・こうしてみると色んな人から二宮は慕われてるし、心配もされているんだなぁ。

辻ちゃんがイコさんの戦闘シミュに割とキレてたのも、単にボケてるだけってより隊全体での評価が重要だとこの件でより認識していたのがあるかもしれないし、犬飼の「ナイスキル」も、相当に色んな感情が込められた言葉だったんだな。まだ今回の情報も開示されてない段階で、田中健大さんは本当に良い声をあのセリフに吹き込んでくれた・・・

一方で鳩原の人となりがようやく明らかになったことで、自分だけが遠征に行く目的があるのに隊の面々に迷惑をかけてしまってる・・・と他の手段に走ったのも納得出来てしまうんだよなぁ。木虎が言ってた、「無償のやさしさが重荷に変わった」人間だったんだな。そのせいで鳩原以外に遠征に行く理由が無かった二宮隊の他の4人に遠征に行く理由が生まれるという・・・

あと、ユズルの「いつか人も撃てるようになるかもしれない」って言葉が何か決定打になったんじゃないかって感じがするんだよね。人を撃てるユズルは本当の意味で鳩原の苦悩を分かってなかったのがあの言葉で分かってしまうというか。

しかも、影浦隊の降格にまでこの件が絡んでる連鎖爆発だったとか、流石に予想外だよ!?根付さんアッパー事件の真相、情報封鎖をしたが故に発生した悲劇だったなんてな・・・根付さんは何も悪くないけど、鳩原を心配するユズルに対して大人の対応をかますのは、あのタイミングじゃ致命的過ぎた。

ぶっちゃけ、何もかも誰も悪い人がいないのに悲劇が玉突き事故を起こしてた。たったの1話の過去回想の中に詰め込んでるものが多すぎる!

ユズルがこの件でやりたいことが無くなってしまった上、その原因が自分にもあったからこそ、遠征に行きたいという目的が生まれたユズルの為にランク戦の残りは張り切ろうとしたんだなぁ。

カゲがザキさんをちゃんとさん付けしてるのもこれで納得出来ましたね。もしかしたらザキさんがカゲと犬飼をセットで選抜したのも、この機会に2人の上層部からの信頼と評価を上げよう、A級に戻るにふさわしい人材だと証明しようと思ってのことだったりしてね。

失踪の真相って思ってたより複雑?

で、失踪直前の経緯が明らかになったことで余計に麟児のことが分からなくなった。マジで何者?千佳が言ってた「兄にならそういうことができます」って言葉がますます怖くなってきた。

ついでに言うと「トリガーを横流ししたのが鳩原」という図式にも少し疑問が。今回の描写だと二宮隊として遠征する以外の選択肢を、遠征部隊選抜の成否が出る以前から考えてたようには見えないんですよねぇ。

もしも今回の失踪までの流れが5/2の1日で起きた出来事だと仮定したら、どちらかというと彼女は突如湧いたネイバー行きに便乗した、もしくはイレギュラーゲートに対処しようとした所に巻き込まれた可能性もあるような気がして。以前から麟児と接触してて計画を練ってトリガーの横流しもして失踪・・・って本当にそうなのか?と思ったり。

・・・もしかしてなんだけど、迅も協力者の一人だったのでは?普段からトリオン体で街を巡回してるからボーダー隊員も含めたあらゆる人間の未来は見えてるはず。それなのに重大な違反を犯す鳩原に何のアクションも起こしてなかったなんてことがあり得るのか?今更だけど不自然。

何より他の渡航者2人の内一人が以前から予想されている旧ボーダーの九條真都なら、旧ボーダー同士で迅とも繋がりがあるわけだし接点を作るのは不可能じゃないどころか、それがより良い未来に必要なら実行に移すのが迅悠一という男。あの男、マジで本編開始前からいくつも暗躍してて一人でいくつも秘密を抱えてる可能性があるからな・・・果たして。

玉狛第2という二宮の地雷

そして今。二宮自身は千佳とユズルを鍛える今回の方針から、成績は二の次なんじゃないかと思っていたが、遠征を目指す理由が今は本人に思っくそあった。鳩原が失踪した理由は理解は出来ても納得は出来ていなかったから、本人に直接聞く為に遠征を目指す・・・下手したら今のボーダー隊員の中で、誰よりも遠征の強い動機を持ってるのが二宮なのか。まさかここまでとは思わなかったし、想像以上に鳩原のことを大事な仲間として見ていて、その仲間の為に自分が出来ることは何でもしてやりたかったんだなって。

だとしたら今も昔も、玉狛第2に二宮は一体どんな感情で接していたんだろうか。失踪の協力者の妹は鳩原と同じく人が撃てないだけでなく、遠征の為に大きな目標を立てていたのも自分達と同じ。けど自分達とは違い、遠征選抜に選ばれる目標を達成し、人が撃てないのも克服して・・・

それなのに表には一切出さずに千佳を今育ててるわけで。「元の部隊の環境に依存している人間が単独で動けるか」「自分を認めてくれる仲間がいなくても結果を出せるか」って、今回の描写を見たらどう考えても鳩原の件があったから出て来てる言葉じゃん・・・そりゃ思う所があるに決まってるわ。

しかも今回の冒頭の上層部への直談判も、完全に修と対比してるんですよね。恐らく感情的に何の準備もせずに行ったから交渉らしい交渉にもならず、「A級1位になったら検討する」の言質を取るに留まった二宮と、入念な準備と仕込みでヒュースの入隊を認めさせた修の違い。

でもよく考えたら、そもそも鳩原は歌川を誤射して吐いたくらいだから当時は相当の大事だったはず。そこから一度も人を撃つことなく武装解除だけ出来る凄腕にまで自分を鍛えたってことは、人を撃てない点を除けばもう本人の努力も技量も極まってるという前提があるわけで・・・その全てを傍で見てきたなら、どうして人を撃てないだけで選ばれないんだ、これ以上鳩原に何を望むんだと二宮が思うのはむしろ当たり前で、感情的に直談判しない方がおかしいと思った。

だから正確に言えば、二宮が感情的に直談判していなくても、鳩原自身にあれ以上の交渉材料を持たせることは無理だったから、結果は変わらなかったのではと思う。

12巻で玉狛支部に来た時も、今にして考えたらよく感情を抑えて我慢したなってシーンでは?

・「兄にならそういうことができます」→ピクッ(雨取麟児なら出来る?俺には出来なかったことを?奴が唆したのか・・・!?)・・・それじゃ根拠にならない もっと具体的な話をしろ

・利害が一致したから手を組んだんじゃないでしょうか→(利害が一致した?だとしても、俺達とA級1位になって遠征に行くとお前は納得したんじゃなかったのか?どうして俺達よりもその得体の知れない協力者達を選んだんだ?俺達に何も言わずに!?)・・・情報感謝する 邪魔したな

ってこういう感じでしょ?もうあの時から玉狛第2はずーーーーっと二宮の地雷を踏みまくっていたんだなって・・・そりゃ二宮も修のことを表立って認めるような発言はしないわ。

鳩原が初めてまともに喋っているシーンが遂に見れたわけだけど、それ以上に衝撃的な所が多すぎて、たった1話とは思えない程の充実感でした。これが遅効性SF…!

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