情報がなーーーーんも分からないまま公開されたジブリの宮崎駿作品「君たちはどう生きるか」。公開後もTL上に全く情報が流れないので見ない限りこのキービジュアルの鳥人間みたいなの以外何一つとして分からないままなので観に行くことにしました。TOHOシネマ会員のポイントも随分と貯まってたから日曜だってポイント鑑賞すれば料金は気にならないのだ。
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タイトルの意味は分かった、タイトルの意味は
え、そこで終わり?
ってなったよね、うん。そこから数分くらいエピローグがあったり、エンドロール明けに何かあると思ったよね。まさかあれで終わりとは思わなかった。
舞台が現実かファンタジーな世界かすら不明だったけど、冒頭でとりあえず戦時中だなってのが一瞬で理解出来るのは日本人よね。ホントに小中に授業で見たアニメの光景そのまんまだなぁって。火事の一連のシーン、物凄い映像だったなぁ。それとチハタンが見れるとは思わなかった。ガルパンの3Dとは違うジブリのチハタン。知波単バンジャーイ。
あのキービジュアルの正体、もっとカッコいい感じだと思ってたのにう、裏切られた・・・!
声優陣も何も知らなかったけど、KMRが如くのおかげでキムタクの声はすぐに分かった。流石の上手さで良い声だわぁ。あのお父さん、愛する奥さんを失って眞人や夏子より辛かったかもしれないのにそういう様子をおくびにも出してないのに気が付いて、随分と強い人なんだなと思った。
ある意味「君たちはどう生きるか」という問いかけに対して、お父さんは開始時点で答えを出してる立場の人間なんですよね。親や工場長という責任のある立場、そこから決して逃げ出さずに再婚して新しい人生を歩んでるし、息子のこともナツコのことも凄く大事にしてて、一方でこの手の大人キャラにありがちなオカルト話を否定しないってのも含めてこの人かなり人間が出来てると思った。
一方で、母を失った哀しみから未だに立ち直れていない上に父の再婚相手は母にそっくりな妹、しかも既に父との間に子どもを身籠っていたのもあってナツコへ歩み寄らない眞人、姉を失った上にその忘れ形見が息子となったのに受け入れてもらえないナツコ。この2人は「生きてても辛いだけ」というか、現実を強く生きていける状態じゃなかったわけで。そんな2人ともが大叔父の作った下の世界に誘われ、幸か不幸か現実を捨ててこの不思議な世界で生きることも出来ると選択肢を与えられるけど、結局は現実を選び取る。
ジブリらしいファンタジーな脚色は強くあれど、ストーリー的には「辛い過去を持つ少年が不思議な体験を経てそれを受け入れ、乗り越えて現実で明日を生きていく」という至極単純な内容ではあった。
戦時中の日本という舞台設定なのも、現実の辛さと、だからこそその現実で生きることを選べるのが凄いと説得力を持たせる為に選んだのかな。
アオサギも含めてあの世界の記憶はやがて失われ、いつしか夢だったと思うのだとしても、ナツコを母と認められた自分とナツコ自身、そして産まれてきた弟は間違いなく眞人が自分で選び、あの世界から持ち帰ってきたもので、それは決して失われないものなんですよね。
まぁ問題は、そのストーリーライン上に脚色された情報が分かりにくくて、何じゃこれ?ってなる所ですか。なにせ未だにパンフレットも販売されていないので、考察しようにも限界がある。個人的には否より賛で、ジブリの映像美は相変わらず素晴らしいし、独特の世界観やわらわらの可愛さ、異様な存在感のアオサギにインコ達に大王等、魅力のあるキャラクターも多い。
ただ、本当にこの「よく分からない」って部分がどうしても付き纏う作品でもあると思うので、パンフレット含め設定の詳細について早く明らかになってほしいとも感じました。