ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトロー達の誇り を観ました 感想

周りからは高評価ばかり聞くのに、コナンの映画が始まったこともあってか公開から僅か3週間で近場は上映終了!ということで「ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトロー達の誇り」の吹替版を観てきました。

ロールプレイングゲームの始祖であり西洋ファンタジーのイメージそのままでもある「ダンジョンズ&ドラゴンズ」、通称D&Dをベースとした実写映画で、魔法や亜人の種族、ドラゴン、マジックアイテムなんかが当たり前にあるファンタジー世界観を舞台に、元盗賊のエドガンが娘と失くした妻を取り戻す為に仲間達と大活劇を繰り広げます。

んほぉ~ゴリゴリのファンタジーたまんねぇー!

自分はTRPGのD&Dや原作にしたカプコンのアクションゲームも遊んだことがありません。なので名前と、一般的に連想されるようなファンタジーの世界観ってことしか知識ゼロで観に行ったのですが、いやーとても面白かった。

主人公のエドガンと相棒のホルガが置かれた状況や背景は冒頭の陳述で回想される形で説明されるし、仲間を始めとする主要な登場人物はロールや立場という記号が何となく分かっていれば名前を覚えられなくても観る上で支障は無いのも初見の方には優しい点。

ドリックの目まぐるしく姿を変えながらノーカットで繰り広げられる逃亡劇、地下ダンジョンでのドラゴンからの逃亡や脱出、戦闘面ではホルガとゼンクの無双にソフィーナとのラストバトル等、ファンタジーらしさに溢れた見所が満載。

個人的にドリックの逃亡劇はスピード感が最高だった。ホルガはバーサーカーらしく暴れ、ゼンクは剣技で魅せるから戦闘も見てて爽快。地下ダンジョンでの戦いはお互いに剣に魔法を付与してるから見映えがスゲェカッコ良かった。ラスボス戦は見違える程逞しくなったサイモンと、彼を含めた4人をまとめて1人で相手取るソフィーナの強さが見応えあり。

タイトルの通りのドラゴンは満を持して登場したと思ったら一捻り加えてたり、氏体との会話はそれぞれの死体になんか豪華声優陣を配していたり、とある誓いの果たし方やマジックアイテムの使い方等も伏線を上手いこと回収してて構成に無駄が無い。

何より、冒険する4人がタイトルの通りのアウトロー、人生負け犬な連中ばかりの集いで、その中でも主人公のエドガンのキャラクターが良い。たった一度の過ちで善性の強い人間が最愛の妻を亡くした上に盗賊になってからの収監、その間に娘は託した詐欺師フォージに吹き込まれた嘘を信じてしまってほぼ絶縁と、本人が「負け犬のチャンピオン」と卑下するのも分かる転落っぷり。

けど未だに残る善性はパラディンであるゼンクには見抜かれていたのか彼からは終始好感を持たれていたし、ホルダ・サイモン・ドリックという癖のあるメンバーを最後までまとめ上げていた。腕っぷしは全然だったが、その人間性がこの4人をパーティとして成立させる為に不可欠だったのは間違いない。

また、娘を取り戻し宝を奪った時点で彼らはそのまま逃げることだって出来たのに、目の前で起きた異変から逃げずに自ら戦う為に戻って行った。その結果名誉や栄誉を最後には得られ、最後には負け犬から見事に転職した。一方で嘘に塗れていたフォージは地位も名誉も財産も全てを失った。逃げずに立ち向かったエドガン達と何もかも騙して逃げようとしたフォージの対比、分かりやすく勧善懲悪にエドガン達が救われた結末も非常に気持ちが良いものだった。

そしてD&Dを殆ど理解していない自分でもこれなのだから、元ネタを深く知っている人にはもっと感じ取れるものが沢山あることでしょう。一本のファンタジー映画としても面白いし、D&Dを理解している人にはもっと面白いであろう本作、今後の上映がどうなるかは分かりませんが、観に行って損の無いとても面白い映画でした。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

関連記事(一部広告)