花の詩女 ゴティックメードを観ました 感想 う、美しい・・・

未だに円盤化されていないアニメ映画、そんなものがこの令和に、あるんですねこれが。2012年に公開された「花の詩女 ゴティックメード」もその一つ。原作監督脚本絵コンテレイアウト原画全部俺!という永野護氏の拘りが隅々まで発揮されてとんでもない年数も掛けて製作されたこの作品、容量が1.5TBとかいったらしくて未だに円盤化が出来ないんだとか。

そんなアニメ映画が10周年を迎え、11月1日から10日まで限定でリバイバル上映。ファイブスター物語は名前しか知りませんが、ツイッターで流れてきた文字に乗せられ、気づけば最終日の10日にイオンシネマに来ていました。オタクは映画館でしか観れないとか、10日間だけとか、そういう言葉に弱いのだ。

全部手描きという狂気で送る、少年少女の旅

「ファイブスター物語」の時系列に組み込まれている作品ということらしいですが、そちらは全く知らないので割愛。

先祖全ての記憶を引き継ぐ「詩女」として最初の仕事である都行の旅に出る少女ベリンと、その護衛に来たドナウ帝国第三皇子トリハロン。どちらも生まれや身に持つ人外の力故に、出会いの当初から旅の途中まではギスギスしながらも、ベリンはトリハロンの誠実な素顔を知り、トリハロンもまた同行することで民の事を知り・・・と、この2人の変化、心の機微に焦点が当てられたストーリー。

その旅は彼女等を狙う者達が着けており、「ゴティックメード」と呼ばれるロボット同士の戦闘が中盤~終盤に掛けて描かれており、これが見所の一つとなっています。

まぁあらすじの紹介はこんなものとしまして。この作品、前述したように永野護が何かもう凄いこだわりにこだわった結果、最初から最後まで物凄い綺麗な映像だし、73分という尺ながら間もたっぷり取った作り方をしたり、他の映画と色々根本的に違う感じなんですが、最大の違いは何もかも手描きということ。

めちゃくちゃ描き込まれた雨のシーンは勿論のこと、美しいカイゼリンの起動シーンや、ゴティックメード同士の戦闘、敵の機体が加速を溜めて一瞬ですっ飛んでいく所、母艦のワープ等も、そういうの全部が手描き。なんつうかもう、あり得ぬ。それすらも知らず観に行ったわけですが、終わってからあれもこれもそれもどれもぜーんぶ手描きだと知って、と、とんでもねぇものを観た・・・それも映画館で!って思いました。

主役機であるカイゼリンはデザインもさることながら、その起動から戦闘を開始するまでの動きがもう変態的な作り込みようで、マジで人生で初めて戦闘用ロボットの起動シーンを見て「美しい」と思った。もしも最終日の今日じゃなくて昨日観に行ってたら、あの起動シーンをもう一度観る為に今日も映画館に来ていたことでしょう。それ位凄いシーンだった。

残念ながら戦闘シーンは1回だけで終わりなのですが、ベリンとトリハロンの2人に焦点を当てたストーリーとしても綺麗に纏まっており、ファイブスター物語を知らなくてもこれ単体で十分に分かるし完結していて、観に行った価値は十分にありました。

リバイバル上映は本日で終わりなので次に公開されるのは冗談抜きで何年後か分かりませんが、もしも次にまた上映されることがあれば、もう一度観に行ってみたいと思いました。

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