シン・ウルトラマンはいいぞ
というわけで、先日から上映が開始したばかりの「シン・ウルトラマン」を自分も観てきました。
たかだが500円程度の差は惜しまず勿論IMAX。事前情報は殆ど仕入れてなかったので「多分シン・ゴジラみたいな世界観で怪獣とウルトラマンが出現するんだろう。シン・ゴジラはクッソ面白かったしそういう方向性なら今回も絶対面白いはず」と思っていたのですが本当に凄く面白くて満足の行く2時間でした。
ウルトラマンとなり、人を知り、人に成った者の物語
冒頭からして初代ウルトラマンの演出があるし、シン・ゴジラと同じく巨大不明生物という呼称、自衛隊が出動して退治し、政府が設立した特別対策室の名前が巨災対とどこか似ている禍特隊と、世界の下地はほぼほぼシン・ゴジラと同じようなものなのかな。MOP2も出てくるし、何よりも後半に何の前触れもなく赤坂補佐官?が政府の男として出てきて、テンションめちゃくちゃ上がりました。
ただ、この世界で初めて現れた巨大不明生物はゴジラじゃなくてゴメスで、そしてゴメスも含めその後も登場した禍威獣を自衛隊が対処出来てること、そして人間の力だけではどうしようもなくなり始めた頃にウルトラマンが現れ、更にザラブやメフィラスのような外星人が現れたのが何よりの違いか。
1回観ただけでは頭に入りきらなかったり整理しきれなかった所は多々あるんだけど、2時間という短い時間の中で、神永の姿を借りたリピア=ウルトラマンが、人間という生き物を段々と理解していくのは心を打たれる。自分がどうなるか分かっててゼットンの破壊に向かう自己犠牲の死ぬ覚悟、それでも仲間達の所へ帰りたいとあがく生きる覚悟、その矛盾した在り様こそ正に人間そのもので、死ぬな、頑張れと応援したい気持ちになった。
命に換えても子供を守ろうとした神永に興味を持った彼が最後に行ったのが、自分の命を神永に与える=他者の命を尊重する人間と全く同じ行動をした=人間を理解した、人間を好きになったことを表してて、あまりにも人間臭くて、間違いなく君は「ウルトラマン」だったなと、終わってから思った。たった2時間の間で、ウルトラマンに凄く感情移入していたんだな。
初代ウルトラマンとしての要素も、SFCウルトラマンで小さい頃に得た知識以上の情報は殆ど無い自分でもメフィラスやゼットンには興奮した。
山本耕史のメフィラスは本当に胡散臭いのにブランコを楽しそうに漕ぐわ割り勘を提案するわで、根本的に宇宙人だけど地球に馴染んでるという異質さが凄く伝わった。戦闘を中止するのも原典通りだったし、全体に渡って良い役回りを貰ってたよね。
ゼットンはまず光の星製ってのに「え?」となり、アホみたいなサイズで「ファッ!?」となったりと、あまりに大胆な変更に度肝を抜かれた。1兆度の炎の威力も大真面目に設定されてるし。けどお馴染みの鳴き声とシルエット、そしてラスボスと、間違いなくゼットンとしての役割を果たしてました。
ただ倒す決め手は人間の力で、原典と同じくウルトラマンを神にはしていないし人間が自分の力で地球を守ることの大切さもきっちり取り入れてる。こういうバランス感覚は流石だと思う。いつ出るんだと思っていたぐんぐんカットもようやく、しかも意外過ぎる使われ方で興奮した。
本当に色々語りたいことはあるけど、とにかくすっごく面白かったシン・ウルトラマン。余裕があれば2回、3回目も観に行きたいな。