ガールズ&パンツァー 劇場版Variante 5巻 感想

逆境を飛び越えろ!!!

遂に始まった大洗連合vs大学選抜の試合。「ガールズ&パンツァー劇場版」のコミカライズ、「ガールズ&パンツァー劇場版Variante」の第5巻が本日発売となりました。今回の表紙は序盤の主役とも言えるプラウダと継続から、カチューシャとミカのコンビが目印。

今回はゲーマーズでご購入。愛里寿とボコの着せ替えカバーが特典です。

託された者は進み、託した者は願い続ける

黒森峰戦・エキシビション・大学選別戦では、終盤に既に脱落したメンバー達が試合の行方を見守るシーンがあります。もう力にはなれなくても、勝利を願うことは出来る。最終章2話でも押田が撃破された直後にハンドサインで健闘を祈っているように、むしろそれしか後は出来ることが無いからこそ、脱落した子達は強く強く仲間の勝利を願い行方を見守っています。

アニメでは台詞は一言だけで一瞬で退場となってしまった赤星小梅と小島エミ。今回、一話丸々彼女達に焦点が当てられています。試合の前に願掛けし、しかしあっけなく脱落した彼女達。託した者がその後に出来るたった一つのことはその勝利を祈り、願うのみ。必死に大洗の勝利を願う小梅の姿に泣かされるなんて思いませんでした。

そして彼女達に対し、託されて進み続けるまほとエリカという構図もまた良い。まほ・エリカ・小梅・エミ。すぐに脱落したからこそ印象が薄くなってしまいがちですがこの4人と乗員達が黒森峰から参加したメンバーであり、彼女達は等しく大洗とみほを助けたいという思いを抱いてこの場にいるという事実を改めて感じられました。伊能先生、本当にこういう掘り下げが上手いんだから。

その次がプラウダが高地から脱出するシーン。ノンナとは違う目線でカチューシャを説き伏せるクラーラ、花言葉に掛けて送り出すノンナ、そしてニーナとアリーナ。カチューシャが自分達以上に重要だと理解している彼女達は自ら犠牲となって、カチューシャはノンナ達から後を託され、たった一人生き延びることになります。

「盲目的に信じるのではなく自分の頭で考えるべき」という台詞も追加されている、「信じるのと崇拝は違う」というまほの言葉ですが、これって実は杞憂ですよね。プラウダの子達は崇拝しているのではなく、自分達よりも勝利に必要な存在だと確信している、カチューシャなら絶対に勝利をもたらしてくれると信じているからこそ、その身を投げ出しているわけですから。

まぁ自分の頭でそれを考えて実行しているプラウダの子達は、バミューダから見ると生意気な子娘みたいですが。大学選抜は各自で行動しませんからね。ただ知波単が2輌やられたように、独断での行動は良い所も悪い所もあるのはどちらも描写されているとは思いますが。

序盤に仲間を失い、託されていったまほ・エリカ・カチューシャの3人。こうして掘り下げられると、この3人が終盤まで生き延びてどデカい活躍をしたのは、早々に脱落していった子達に託された思いに答えようという気持ちもあったのではないか、とも思えてきますね。

序盤は脱落していくシーンが目立つからこそ、5巻の前半では脱落するものと託されていくものに焦点を当てている印象ですね。

大洗らしさの極み、どんぐり小隊

後半はどんぐり小隊がカールと護衛を全滅させる所まで。ここで脱落する継続というかミカ、そして大洗のヘッドである会長に後半は焦点が当てられています。そしてそれに対応しているのが、一部で人気のメガネの護衛さんとその仲間の人。

大学選抜という選ばれたメンバーに入れたと思ったら、年下のちびっこという天才には打ちのめされ、閑職のように僻地でのカール護衛。モチベーションが上がらないのも当然で、何故戦車に乗っているのかも分からなくなりそうな位。彼女達がどんぐり小隊と戦うことになったのはある意味必然だったのか。

未だにキャラを掴みにくいミカですが、伊能先生の解釈を翻訳すると「世界にはまだ見たことの無い素敵なものが沢山あって、人も戦車も一人一人、一つ一つが全然違っていて、とっても面白いね」と考えている人物、だからそれらに出会いたくてあちこちに行ってると。

そう考えたら、カールを撃ちぬけないと分かってて、意味があるとは思えなかったけど乗った殺人レシーブ作戦が、いつの間にかカールを撃破していたのはこれ以上無く素敵な出会いだったのでしょうね。これこそ彼女が試合に参加して見たかったものなのかと、そう思える位にとても良い顔をしていました。

対して、そんな大洗のヘッドである会長。街からして神様が一杯でバラバラな大洗町。その町を象徴するかのように、戦車はバラバラだし乗ってる子達だって元々戦車に乗りたくて入学した子は一人もいない。そんな大洗に各校が援軍で入っても、ただただ大洗が大きくなっただけなチームで、会長からすれば「ウチ(大洗)っぽい」。

そしてどんぐり小隊も、チームはバラバラ、戦車もバラバラ。大きくなっても小さくなっても大洗は大洗。ここまでアニメでは自分達一人だけの力で戦っている継続に対して、そんな彼女達の力も借りて皆で戦う大洗、言われてみれば確かに真逆。

どんなに辛くても自分達で状況を作り出すそれが大洗の女子。そして色んなものがごっちゃごちゃに集まるのが大洗。正に会長の言う通り、殺人レシーブ作戦は「ウチ(大洗)っぽさ」が溢れています。

大事なものは沢山持たない継続と、全部抱え込んじゃう大洗。まるで真逆なのに、大人の用意した壁も飛び越え、年上の大学生達に大太刀周りを演じてしまう会長とミカ。理事長が眩しい限りだと褒め称えるくらい、相手した大学選抜の子達が羨む位に、彼女達は輝いていました。

試合はまだまだこれから

脱落していく小梅やノンナ達に泣かされ、それぞれのらしさを見せつけていくミカと会長に熱くなり。今回もメチャクチャ良かったです。

まだまだ始まったばかりの大学選抜戦。一抹の不安を吹き飛ばすかのように、ガルパンおじさんを唸らせる素晴らしい掘り下げで継続無双までが描かれました。

残ったメンバー達の活躍の機会はまだまだこれから。エキシビションから大学選抜戦までの間の掘り下げが活きてくるのもこれからなので楽しみで仕方ありません。ここから先も期待しましょう。