ワールドトリガー 第244話 遠征選抜試験㊵ 感想

今月もワートリの時間がある喜びを噛み締めていこう。

隊長経験者の思考は深い

諏訪さんが決めた翌日の方針は特殊シミュには時間を掛けずに課題を優先すること。2日続けて大勝ちしている分、諏訪隊がマークされることは最初から分かってたこと。ヒュースが対策の対策をすれば良いと考えていたように、分かってる面子にとっては今日の策を考えた時点で実質的に2日分の方向性も決まってたようなもんだな。

配点が多い翌日に今日の策を使うべきだったのでは?という香取の疑問も、同じ戦略が被るとネタの新鮮度が落ちるというリスクを諏訪さんも修も理解済み。実際に北添隊と水上隊は「見た目で偽装する」という戦術が被り、どちらかに先に当たった隊は見た目への警戒をされて先述の有用性が下がってしまった。更に恐らくコマが増えて更に最早読み合いがグルグルして読みを通す運ゲーに時間を掛けるのは分が悪すぎるギャンブル。

・・・というかこの辺の諏訪さんの大まかな方向性もその根拠となる考え方も、2人とも完全に思考が一致してるのが強い。その上で修には自分より得意なことを任せられるから、諏訪さんとしても修の存在が大助かりなんだろうなって感じる。それも全部隊真面目に考えるレベルまではしなくて良いと事前に釘を刺してるから、本当に諏訪さんのダンドリ力高いなぁ。

所変わって二宮隊は、今日はもっと頑張ると言っていたユズルが今日の試合結果から明日の戦術を予想、分析。というか、大まかな今日の戦術はユズルが考えたみたいですね。狙撃型を増やして爆撃機(カナダ)への対策をしてくるというヒュースの事前の読みは、遊真くんが近距離で強過ぎるので近づきたくないという二宮隊に対しても同じ考えが通じるので、その対策を考えれば良しと。

ただヒュースが防御用の駒を増やして爆撃機(カナダ)を守れば良いと考えたのに対し、こちらはその対策で増えるだろう長射程のコマ自体を倒す方向で考えているので、考え方の差異が見えて面白いですね。しかもユズルの場合、そのシンプルな対策の対策の根拠が、これまでのランク戦においてB級の隊員が「まじめな人が多い」からというもの。

負けたら反省して対策を考える=負け筋は潰す。成程、バランス型の思考の根拠はそれか。二宮はリスクを度外視した戦術と当たるリスクを提示したけど、どちらかと言うとA級の方がそういった人が多いと。理屈をこねくり回して考えるのではなく、A級を経験しながらも現在はB級であるその経験による知識の蓄積から導き出しているので、ユズルの結論にも説得力がある。むしろ若い分、年上の隊長や隊員達よりもシンプルに考えられている感じがするので、これはこれでユズルの良い所が出ているなと思います。・・・にしても、二宮のあの顔は何だw

「まじめな人」その1である仏の来馬さん率いる来馬隊。流石にバランス取った対応型は苦戦したことに気づいたようで、来馬さんも一つ成長の予感が見える。凹んだ弓場さんも乗せてメンタル回復させちゃうコアラ、とても頼もしいですね。

隊長が「まじめな人」その2っぽい北添隊は、きくっちーがA級らしい思考でばっさりとゾエさんがそういう方向に考えるのを阻止していますね。というかこの思考の方向性的に、口は悪いけどきくっちーも隊長の適正は相当高い気がするなぁ。海へのブチギレ方はまぁ、残当。半崎が気づいた引き分け作戦も、総合4位まで上がったおかげで最初から二宮隊や若村隊には引き分け狙いで良いという使い方を提示していますし、取れる所からしっかり取って上を目指すと。

ジャクソンが遂に踏み込んだ

そして若村隊。ヒュース、自分の設定忘れんなし。トリオン工学の基礎?基礎って何?その本にはトリオン工学について詳しく載っているんですか読ませろ読ませろ読ませろ読ませろ読ませろ読ませろ読ませろ

千佳と遊真だけでなく、策の3号とカナダの4号もいる玉狛第2。そして第1と迅に雷神丸と人材が少数精鋭ばかりな玉狛支部ですが、ヒュースの見立てでは環境自体は本部の方が良いそうで。確かに支部勢は本部までその都度行かないと個人戦とかも出来ないもんね。トリオン量という才能も千佳だけ。旧ボーダー組が多いという点を除けば、意外な事に玉狛の環境自体は他の支部と大して違いは無いと。

なので単純に他の隊員との違いは「実力の差」だとヒュースは結論付けていますが、ここでジャクソンが遂に自分と修の違いについてヒュースに切り出した。2人っきりの場でも無く、全員がいる場でとは思わなかったですが。みんなの前でジャクソンが心抉られないか心配よ私は。

でも言語化すると何だろうな、一言で言えばやはり修はペンチメンタルだからだろうか。死ぬ気で守り通せを文字通り死ぬ気で実行した男だし。初期から修の行動の根底には「自分が後悔しない」があるんですが、それと同時に、どう行動するかを決めたらその後は迷わないというか、他の事を考えないんですよね。

対してジャクソンは一度方向性を決めた後もこれで良いのかと迷ったり、筋道を提示されても後ろ向きに考えたり、常に覚悟を決めきれていないという感じがある。「覚悟が足りない」ってことかな。恐らくそこが2人の最大の違いなんじゃないでしょうか。僅かでも行動や判断に迷いが生じることは致命的なのは香取隊のランク戦だけでも描写されていますし、その僅かな差が分けている部分が大きい気がする。

ヒュースの口からどんな風に言語化されるのかを考えつつ、来月を待ちましょう。


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