恨み来、恋、恨み恋。 11巻&12巻(完) 感想 ※12/2更新、ゲーマーズ本店でサイン色紙の実物を拝んできました

恨みから始まった子と猫の奇妙な恋の物語、ここに完結…

ガンガンjokerで連載されていた秋タカ先生の作品「恨み来、恋、恨み恋。」の11巻と最終12巻が発売となりました。・・・遂に、この時が来てしまいましたねぇ・・・joker本誌で最終話を読んだ時の、本当に推しだった作品の連載が終わる読後感と喪失感がごちゃ混ぜになった、哀しいけど嬉しいようなあの感覚、慣れないものですね。

今回もとらのあなで購入。2巻分のラフ集が乗っております。これも全巻分揃えたのかぁ。

恨み猫の終わり

10巻のラスト、夏歩が告白した所からの続きとなる11巻はバトル多めというか、バトルはこれで最後。遂に決壊の全てが破られ、大量の鬼が十二町へ攻め込んでくる事態に陥り、十二家(と透也)総動員で町への侵攻を食い止めることになった。

その少し前、夏歩は巳の当主からある作戦を伝えられ、一人冬歩の待つ町の中心へ。この最終決戦、中心となるのは恭一と朱華、そして夏歩と冬歩。夏歩に最も近い2人と、2人の恨み猫。

恨み猫とは9つの魂を持つ妖怪で、夏歩と冬歩は恨み猫という妖怪の魂の一つ一つでしか無かった。つまり同一人物と言って良し。どちらも恨み猫、そして子の当主に恋をしたのも同じ。しかし2人と、その恋した子の当主が歩んだ道は同じでは無かった。

冬歩は郷一以外、全としか関わりが無く、そして郷一もまた冬歩を拒絶した為に恨みの塊と化し、郷一も十二町を恨んで滅ぼそうとした。対して夏歩は恭一のおかげで十二町の人々とも深く関わり受け入れられ、この町と恭一を大好きになった。元は同じ恨み猫なのに、どうしてこうも違う道を歩むことになってしまったのか。

更に夏歩には冬歩と違い、また会えるとお互いに信じられる、恭一と朱華という大好きでかけがえのない、自分の帰りを待ってくれている存在がいる。巳の立てた作戦は無事に成功し、冬歩は力を失い、夏歩は神様となって戻ってきた。

・・・しかし、それでは冬歩は一体なんだったのか。一番弱い魂として切り捨てたはずの夏歩は町に受け入れられ、子の当主に迎えられ、神様にまでなったのに。自分はただの恨み猫でしかない、どうして夏歩だけ、と。彼女は恨みの塊となって暴走するが、夏歩もまた自分の気持ちを知っている、もう一人の自分であることを受け止め、その想いを託して眠りについた。

そして地獄へ向かった冬歩を、郷一が待っていた。恭一が転生する時のあれが実は伏線であり、彼はこの時をずっと待ち続けていたのです。冬歩を出迎えた郷一の穏やかな表情、ありとあらゆる郷一の冬歩への想いが詰まっていて12巻でも屈指の一コマです。十二家当主と恨み猫という立場から解放された子と猫は、ようやくあの世で結ばれたのでした。

幸せになった猫の物語

全てが終わり、迎えたのは未年の新年。新たな土地神様となった夏歩を迎え入れた十二家の新年会も終わって、いよいよ恭一も2人の女の子の想いに応える時がやってきた。

朱華に送り出され、向かったのは2人の始まりの場所とも言えるアパートの一室。神様になってもコミュ障が根本的には直ってなかった夏歩は、神様の仕事なんて嫌だーと逃げ出していたのであった。・・・この引きで最後のページに次号最終回と書かれていたんですよ。本誌で読んだ時どれほどの喪失感が襲ったか、単行本派の人には、分かるまい・・・!うっ、うぅっ・・・・

一度目は恭一が無理やり、二度目は夏歩が意識の無い恭一にと、作中で2度行われたキスはどちらも不本意な形でしたが、お互いの気持ちを確かめ合った2人は、3度目を交わしてようやく結ばれることに。

数年が経ち、当主となった恭一と夏歩には、春歩と秋歩という2人の子どもが。恨みの妖怪として十二町へ来た恨み猫は、神様として町と子国に迎えられ、幸せになったのでした。

最後に夏歩が恭一と結ばれるのは規定路線ではありましたが、朱華の存在は夏歩と同じくらい恭一にとって大切で、揃って妖怪に転生し、最大戦力として何度も戦いに身を投じて、最終決戦でも恭一と共に夏歩を迎えに行ったりと、名実ともにWヒロインにふさわしい活躍と存在感があったと思います。

そして最初は殺し合った夏歩ともお互いに大好きで大切な存在になって、後腐れなく2人を祝福しているのが、これ以上なく気持ちのいいハッピーエンドにしていますね。

秋タカ先生の次回作にご期待ください

・・・というわけで、これにて恨み恋は完結。ただし12巻はその後ろに、これまで収録の機会が無かった読切版が乗っております。5~6年位前ですから設定は勿論のこと、絵も今とはちょっと違っているんですよね。この読切で人見知り猫娘というクッソ可愛い夏歩を見た時から、連載が待ち遠しいと思っていましたが、いつの間にかその連載も終わってしまったんですなぁ・・・

しかし、秋タカ先生はすぐにガンガンjokerに帰ってきます!以前読切が乗っていた「六畳一間の魔女ライフ」、そしてtwitterで不定期に更新され好評を博している「お近づきになりたい漫画」が、2月22日からW連載が開始されます!更にお近づきになりたい漫画は1巻が同日発売!これからも秋タカ先生の躍進は止まりません。

秋タカ先生、長きに渡る連載、誠にお疲れさまでした。連載が告知されてから、毎月ガンガンjokerを買うのが一層楽しくなりました。人生で初めて漫画のサイン会にも行きました。本当に素晴らしい作品をこの世に生み出してくれてありがとうございました。

そして新たな連載での一層のご活躍をお祈りしております。

12/2追記

わたくし、実は11月30日に全く別の用事で東京に行くことになったのですが、そのおかげで秋葉原のゲーマーズ本店にこのタイミングで行くことが出来ました!

実は今、秋葉のゲーマーズには秋タカ先生の直筆サイン色紙が展示されております。恨み恋の単行本購入者にサイン色紙が抽選で当たる応募用紙が配られています。まさか実物を拝めるとは思いませんでした。

このゲーマーズでのサイン会ももう3年か4年は前のこと。懐かしいもんですなぁ・・・

当然ですが応募の為に11巻と12巻を購入。最後のゲーマーズの特典も貰いました。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

関連記事(一部広告)