ゲッサン2023年11月号 からかい上手の高木さん(完) 感想 10年にも渡る連載、お疲れ様でした

表紙は、単行本1巻を彷彿とさせるような西片君と高木さんの風景。からかい上手の高木さん、本日発売のゲッサンをもって10年間に渡る連載が完結。遂にこの日が来てしまいました・・・私も1巻が出た頃から読んでいる身の為、今まで色んな漫画を読んできましたが間違いなく過去1,2を争うレベルでのロスを感じています・・・マガジンで連載しているそれ歩もあと5話で完結とのことで、山本先生は今年で全ての連載を終わらせるみたいですね。

ただ、ゲッサン誌上では元高木さんの稲葉先生が来月から「からかい上手?の西片さん」の連載を始めることも発表。元高木さんの掲載ペースが落ちたのはこれがあったからですね。後日稲葉先生本人からのアナウンスもありましたが全10話、ボリュームは分かりませんが単行本だと1~3巻位かな?元高木さんの方もそろそろ終わりそうな気配があります。

来年はドラマもあるし、1月発売の最終第20巻には描き下ろしもあるだろうし、ゲッサンも新たな連載が始まる。そして山本先生もいつかゲッサンに帰って来る、はず。高木さんが終わってもゲッサンは買い続けようと思います。

ちなみに今回の巻末の作者コメントはイラスト付きなので読み忘れないように。

からかい上手の高木さん

誰もが予想した通りの「夏祭り」で送る、表紙&巻頭カラーの最終回。やはり「約束」が前回と今回の間に起きた、とてもとても大切なお話だったようで。7巻に収録されていますので、忘れてたり記憶が朧げな方は先に読んでおきましょう。

アニメとどんな風に差別化するのか気になっていましたが、やっぱり原作は原作だった。アニメはアニメだから3人娘のパートやドラマチックに仕立てて、ある意味原作とは離れた雰囲気に〆たけど、原作は最後まで2人にだけ焦点を当てて、待ち望んでいたものを描いて、そして付き合い始めても2人のからかいの日々は続いていくという形で〆ました。

嬉しくて浮かれている高木さんを見て、西片君は今日告白しようと決心したわけですが、そこに立ちはだかるはいつもの皆。3人娘に捕まる浜口君と北条さん、結局この2人は最後まで明確にはならなかったけど、元高木さんでも出てこないし、一体どうなったのやら。・・・ホントにどうなったのやら!

高木さんへの感情を自覚してから徐々に今までと変わりつつあった2人の日常ですが、今までなら手を繋ぐお誘いには照れて誤魔化していた西片君がすぐに手を繋いでくれて、カップルみたいに2人ともドキドキしたりと、高木さんも西片君がクリティカルを出すことが増えてきて、変わりつつあることを認識していたようで。

この変わりつつあった2人という描写が、今まではずっと勝負の度に見透かされていた自分の考えを今は高木さんに伝わってて欲しいという、20巻分の2人のからかいの日々の積み重ねとしてはぐれた2人を結びつけることに繋げているのがなんかもう、凄いなァと。本当にいつまでも続きそうだったこれまでの各話全てが今回の告白までの流れに繋がっているんだなって。

見開きの告白もですが、その後の高木さんの反応全てが可愛いし、原作者じゃなきゃ描けないものだなって思いました。あの高木さんが、聞こえてないフリをして何度も西片君に告白を言わせて、最後は自分から西片君に飛び込んでいくとは。西片君の告白自体も、今までならつっかえたり言えなかったりしていた状況で、ストレートに言葉が出てきたのも見逃せない所で、最後に今までと全然違う2人の姿が見えた。

エピローグは新学期の2人が登校している様子ですが、ここでも指で少し触れるだけで、西片君の方から手を繋いでもらうのを待っています。ただ、少しでも自分から触れに行ったというだけでも、高木さんも変わったんだなってのが分かって尊みが深い。

高木さんは西片君には嘘を付かない。いつも西片君の方から触れたりお誘いしてくれるのを待っている。嘘を付き、自分から飛び込む高木さんの姿が、告白された嬉しさがこれまでのどんなクリティカルよりも大きいものだと示す形になっているんだなと。本当に最後の最後に、今まで見たことの無い高木さんを見れた。アニメとは明確に違う、それでいて最高の終わり方でした。

山本先生、長年の連載、本当にお疲れ様でした。素晴らしい作品をありがとうございました。

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