ガールズ&パンツァー リボンの武者 13巻 感想

みんなボコになーれ♪

ガルパンのスピンオフ作品「リボンの武者」の13巻が発売となりました。今回はとらのあなで購入、特典はボコパジャマ愛里寿です。というわけで、今回は遂に島田愛里寿がしずか達の前に現れますが、その場所、というか今回の表紙、なんかおかしいぞぉ・・・?

それと12巻までは「私の友達の”〇〇”を語ろうー」だった巻頭の一文が、「”私たち”」に代わっているのが個人的に超エモいです。私の友達のしずかではなく、しずかと私=鈴の2人の話となっていて、12巻の温泉で裸で本音をぶつけ合い、人馬一体となったことを表しているのかのようで。

オリキャラだから色々と容赦ない

前巻の後半から始まったムカデさん連合vsボンプルの”公式戦車道”のフラッグ戦。フラッグ車となったヤイカが一気にピンチになった所で終わっていましたが、辛くもヤイカは脱出、試合は第2ラウンドに。

・・・と同時に、始まるのはオープンチャンネルでのしずかからのヤイカへの問い掛け。「努力をしたから報われるという陥穽にハマり、兵を決して活かせない。だから御身はたった5輌に追い詰められる、だから御身は西住みほに勝てぬ」と。ささやき戦術でも何でもなく、実に的確にヤイカのことを評している。

実は12巻から読み返してみると、味方が盾になって救われた所から先、ヤイカはまともに指示を出せていないんですよね。出せたのは一度振り切ってしずかからの通信が始まってすぐ、地図を広げた時だけ。それ以降は混乱している間にウシュカが他の味方を連れていって実質的に彼女が指揮官となり、あまつさえフラッグ車のはずなのに自らが攻撃に出てしまうなど、決着が着くまで完全にボンプルは烏合の衆に成り果てていました。

そもそもリボンの武者はまず1話でヤイカが横槍を入れて始まりましたが、大鍋でもBBA達を前にした時もしずかと共に突っ込んでいったり、振り返ってみるとボンプルの活躍というのはヤイカの活躍と言えるシーンばかりが想起される気がします。彼女は本質的にはしずかと同じで、ぶっちゃけて言えば自らが将として後ろに控えるタイプじゃない。フラッグ車なんて他人に任せ、自らを一つの駒として組み込むべき人間。

対して、しずかはあくまでこの試合、自らは徹底して駒の一つとしてしか動いていない。何せフラッグ車じゃないから最悪彼女がやられても試合は終わらないし、そこが死に場所となるだけ。彼女達はどちらも似た者同士。戦狂いが後方指揮官を気取ること自体が間違っていた。

だが負けても決して取り乱さず、醜い姿を見せず、敗者は敗者らしくあらんとするヤイカの姿は美しい。ある意味リボンの武者の始まりからやりたい放題してきただけに、ヤイカが完膚なきまでに叩きのめされる姿は見てみたいとは思っていたが、元々は戦車道女子。そこも決して失ってはいない所に魅力を感じた。

ボコキチ、3人に増える

・・・だが、ヤイカに加えてみほに対しても真正面からの批判を告げるとは、流石オリキャラ。これが原作キャラだったら大顰蹙ですよ。ある意味ストーリー的には奇跡の逆転ファイターは王道で盛り上がりますが、それが毎回だからあいつ全知全能でも何でもねーじゃん、という禁忌に触れおったでしずか姫。

ですがこれがある意味、ムカデさんチームが前巻において温泉での本音のぶつけ合いから始まった、西住みほに対する彼女達の認識の改めから続いているんですよね。しかも今巻では、それが試合の後にも続いていき、何とムカデさん3人はボコミュージアムに行くことに。まず相手のことを知るというのは基本中の基本だからね。

でも何でしずかがボコキチになるのさ(汗

最初は何かよく分かってなかったのに、スペースボコンテン辺りからもうおかしくなっていて、ボコショーが始まる頃には完璧にぶっ壊れていた。愛里寿が引くレベルでボコに声援送るって、やだこの女子高生怖い・・・

終わった頃にはボコヘアバンドを付けて目が♡、膝にはボコのぬいぐるみを置いて完全なボコキチと化していた。でも何だろう、何か凄く10代の女子っぽく見える。でも何か強烈な違和感がある。

そこにやって来ちゃった愛里寿ちゃん、ていうか何で君も君で日中からボコパジャマ着ながら鑑賞をしているんだ、何かがおかしいぞ。でも新しいボコ仲間にボコ先輩としてふんすふんすしてるのは可愛いから良いか。何気にみほと同じことをして同じことを言ってたりするし。

更にはしごく真面目にボコの考察まで始まった。ガルパンにおいてここまでボコを掘り下げた作品がかつてあっただろうか。ボコの本質は「何度負けても諦めない」ことではなく、「負けると分かっていて戦い続けること」だと鈴木先生は解釈しているようだ。

なるほど、確かにみほは、というか大洗女子はボコである。戦車道を復興したばかりで強くも無い戦車5輌で全国大会に出ようなど、エリカに鼻で笑われるのも当然だし勝ち目が無いのに戦いを挑んでいるに等しい。当初の大洗女子は正にボコそのもの。

・・・なのに、大洗女子は勝ち続けてしまった。廃校の危機を二度も乗り越えた。西住みほは一度ならず何度も勝ち続けているボコである。しずかはそれが見たい。ボコが勝った未来を、「ボコのその先」が見たいようだ。西住みほという勝てないだろう強敵に挑む鶴姫しずかもまた紛れもないボコ。彼女はみほとの戦いで何を見るのだろうか。

そして最後にようやく、これまでずっと影のついた顔に目が光っている不気味なイメージだったみほの立ち絵が、普通の立ち絵になりました。12巻からの流れは対大洗女子との指揮官を決める、しずかとヤイカの決着を付けることに加えて、これまで魔人みたいな感じになっていた、西住みほのしずか達からの異常なイメージを取り払う為に必要なものだったのだと解釈しています。

残すは大洗との最終決戦

まさかのアウンさん隊長抜擢で、遂に完成したタンカスロン連合。対するは大洗女子。ついに、ついにしずかvsみほが始まろうとしています。長かった、本当に長かったぜ・・・果たしてリボンの武者がどんな終わりを迎えるのか、あと数巻、楽しみに読んでいきましょう。