さて、また日が空いたけども久々にガルパン劇場版について思ったことを書いてみる。第3回はみんなの人気者、Ⅳ号通信手の武部沙織について。
演出上仕方ない面もあるが、他のメンバーに比べてどうしても沙織の仕事は目立たない部分が多い。劇場版ではさりげない受信や守備隊との通信、配置図の作成とそれによって包囲を察知してみほに報告するシーン等もあるが、それでも描写は少ない方だ。
しかしだからと言って彼女が無能とかいらないとか言うのは論外もいい所。ちゃんとアニメを見ていないにわかだと自ら認めてるようなものだ。
何度も劇場版を観ている内にそういった部分も含めて考えていくと、実は大学選抜戦において一番凄いのは武部沙織であると思い至った。
もしも通信手がいなかったら・・・?
通信手がいない戦車というのは、言わば事務員、電話番がいない会社の事務所のようなもの、と言えば必要性は理解出来るはず。
TV本編でルノーの捜索が始まる前、みほに他のチームの面々が一斉に相談に来ていたが、正にあんな感じになるでしょう。
一人では情報を処理しきれず、そしてそれに返答するのも困難になる。
もしも沙織がⅣ号にいなかったら、みほは全体の指揮、Ⅳ号の指揮、更には各車両との通信の全てを一人でやらなければならない。いくらなんでもそれは厳しい。下手をすれば通信だけで手一杯、ろくに指揮も出来ないなんてことにもなりかねない。
沙織が間に立ち、そして自らも情報を把握、整理しながら適切に受け答えをしているおかげで、みほは存分に指揮に集中出来るのです。
増え続ける情報量にも対応していった
で、彼女が扱う情報と言うのは、各車の状況であるわけで。これは自軍の戦車の位置やその場で遭遇、発見した敵の情報、交戦した結果などですが、
これらは当然、敵味方の数が増えるほど、情報量が増えていくことを意味する。
TV本編では、最初は5輌から始まって、徐々に大洗も車輌数が増えると同時に相手側の車輌も増えていった。最初の試合が5vs5、全体で10輌だが、黒森峰戦では8vs20にまで増えた。
そしてエキシビションでは15vs15。全体の数は黒森峰戦に比べたら2輌増えているだけだが、味方の数はいきなり倍に増えている。
更に大学選抜戦では30vs30となり、味方も敵も更に倍の数になって、全体で60輌と、めちゃくちゃ多い。開始前に把握する情報量は勿論、リアルタイムに変化していく情報量もこれまでの比ではない。
描写が少ないせいで気づかないと本当に忘れそうなことですが、
武部殿はこんな規模の一戦において戦車道を始めて半年未満の立場で大隊長車の通信手を努め、しかも廃校が掛かった一戦で更にぶっつけ本番でやり遂げている
わけです。これを化物と言わず何と言う。本来であれば、50vs50の戦車戦を経験しているサンダースかプラウダの隊長車の通信手がその役を代わっても何らおかしくないレベルの大仕事。
・・・まぁ、各校の隊長もいたお陰で個々に判断して行動出来たことにより、大隊長に指示を仰ぐ必要性が通常より少なくなっていたのも幸いしたと思う。序盤は3個中隊を組んでいたし、ほぼ中隊長しか通信しなかったろうし。
とは言え遊園地跡では局地戦となり、かなり目まぐるしく戦況が変化していたのは間違いないので、その中でのみほの状況把握に彼女がどれだけ貢献していたかは最早言うまでもありませんね。
結論
武部沙織が不要などあり得ぬ。それ所か彼女も十分に人外の域に片足突っ込んだスーパー通信手、
と考えて良いのではないでしょうか。