前回のあらすじ:夕方から出掛けて車中泊で洞川温泉へ行くことにした私。黒滝村の道の駅では綺麗な夜空を眺めながら酒を呑み、良い感じに一晩あかすことが出来たが目的地の洞川温泉へは酷道ルートを選んでしまってさぁ大変!ようやく辿り着いたと思ったら日替わり温泉センターは臨時休業!Youは一体何しにここへ来た!?
というわけで、やって来ました洞川温泉。天川村の名所でございます。世界遺産である大峯山に連なる奈良県南部の秘境の一つ。山奥という場がかつて修験者にとっての修行場として選ばれ、彼らの宿場町として起きたのが始まりとか何とか。今でもその名残か、街並みはタイムスリップしたかのよう。
それ故に高層ホテルなんてものもなく、宿泊施設はどれも旅館。またその多くが昔の特徴を残しているのか、道に面した側に縁側が設けられ、それぞれの宿の温泉には固有の名前が付いてたりします。また、古くからの伝統的な胃腸薬である「陀羅尼助」を旅館街ではあちこちに見掛けます。
また、この秘境にも温泉むすめの「洞川 蓮」ちゃんがいます。歴史を鑑みると、修行僧の服装をしているのはピッタリですね。
さて、日替わり温泉こそ入れませんでしたが、他にもいくつか名所があるのは事前に最低限調べています。また、↑の蓮ちゃんがいる洞川温泉のインフォメーションセンターにも観光マップがあるので、それを見ながら巡ってみることにしました。
まずは川を挟んで旅館街の向かいにある「龍泉寺」へ参拝。
なんと、鳥居を潜るとすぐ前に池があります。この池が行水の場の一つとなっているようで、実際この日も行水を行っている女性の修験者の方達を御見掛けしました。修行場の側面も強いお寺のようですね。
この三連休はちょうど何かの催し物をしていたようで、昔焼け落ちながらも燃え残った像の巨大な腕の一部を展示したりしていました。更に本堂の方では御汁粉の無料配布まで。図らずもとても良い時に来れたようです。
紅葉も有名な場所だと見受けますが、まだ葉っぱは緑。11月以降であれば池と紅い椛がさぞかし映えていることでしょうが、今年は大神神社でもまだ殆ど緑だったりする位に紅葉が遅いのでどうなるのか。
で、龍泉寺の参拝後、南に戻ると鍾乳洞へ続く坂道が。途中で入り口前まで行けるレールカーがあってメチャクチャ並んでましたが、歩いて5~10分程度の坂道なので当然歩いて入口へ到着。
が、流石に汗をかいたので鍾乳洞へ入る前に「ごろごろ水サイダー」を飲みながら眼下を一望。「ごろごろ水」については後述。
「面不動鍾乳洞」は非常に涼しい、いや少し寒い位、外とは違う温度。中は当然観光しやすいように人の手が入ってはいますが、洞窟自体は天然のもの。
永い時間をかけて自然に生まれた幻想的な光景の数々を見ることが出来ました。
さて、面不動鍾乳洞までの道の途中に別れ道があり、反対方向へ行くと吊り橋があります。そこまでの道が完全に登山道。・・・おかしいなぁ、私は温泉街へ観光に来たはずなのにどうして登山をしているのかなぁ!?ただ、この登山道も天然の自然が残る貴重な場所。歩いて損はありません。
そうして到着した「かりがね橋」。いやめっちゃ高いわ揺れるわで怖かった(汗 ずっとへっぴり腰で堕ちるんじゃないかって不安で仕方なかった。単純にこういう場所へあまり来ないだけで、高所恐怖症ってわけじゃない・・・はず。吊り橋がダメなだけ、だと思う。平気な人は旅館街を含めた洞川温泉全体を一望出来るスポットでもあるので、是非とも行ってみるべし。
渡った先から更に歩いて色々行ける場所があったようだが、流石にこの時はここで諦め、一旦降りることに。実は渡った先はすぐ平地に続く道がある。吊り橋に行くだけだったらそっちから行った方が近道。
降りて旅館街の散策、及びもう一つの鍾乳洞を目指して歩いてみることにした。
その途中で名物の団子屋さん「みたらしだんご こづち」さんがあったので、ここで一服。みたらしと醤油、2種類の串団子を販売している。どちらも美味しかった。
旅館街は途切れるが、そこから更に東へ道路を歩いて行くと、修験者の本道場が右手に見えたりする。それも更に過ぎると・・・
「ごろごろ水汲み場」と「五代松鍾乳洞」の入り口がある。「ごろごろ水」は洞川温泉で湧く湧き水で、名水百選にも選ばれている良いお水。ここへ来る人の多くはこのごろごろ水を目当てにしている人も多いようで、大量のボトルが入った箱を屋根に括りつけている車も少なくないし、旅館街の入り口でもボトルを販売していたりする。また、ここまでが結構距離がある為、原付のレンタルもやってたりと、この水汲み場が色んな意味で洞川温泉の「売り」。何せ水汲み場の駐車場に入場料が必要だし。
自分はそんなの知らなかったし、車は泊めて歩いてきたので当然汲めるボトルなんて無し。まぁ次来ることがあったら、1本か2本くらいボトルを持ってきても良いかもね。
そして五代松鍾乳洞だが、こちらもレールカーと歩きの登山道の2つがあるのだが、内部をヘルメットを被らなければならないそうで、そのヘルメットの数の関係もあり、仮に歩いて登っても入口で待たなければならないと言われた。その時間もどれ位か分からないし、レールカーを待つ時間も中途半端に長いということで、これは次に来る時の観光スポットとして残しておくことにした。いつも言ってるが、心残りがあればまた来る理由になるのだ。
その後は来た道を戻って旅館街を散策してから駐車場へ。ごろごろ水を使ったクラフトビールの「洞川温泉醸造所」が旅館街にはあるのですが、今回はここで一泊はしないので呑めない。曽爾高原ビールと同じく、名水百選のお水で作られた奈良のビール。お土産に買って帰ろうとも考えていたがこれも要冷蔵なので諦める。宿泊客の皆様は昼間っから生で呑んでいらしたので、次は必ず一泊して私もクラフトビールを生で呑まなければと決心した。
トトロいたもん!?
ちと早いが、初めての洞川温泉は4~5時間で撤退。次に来る時は温泉・鍾乳洞・水汲み・クラフトビールと、やりたいことが沢山だ。
洞川温泉の飯屋はどこも人が一杯だったので飯は諦めていた。帰り道で一旦黒滝道の駅へ再び寄って、ここで遅い昼ご飯。
川魚のニジマス塩焼きと大和牛もつ煮込みをいただいた。どちらも美味いんだこれが。特にニジマス、これがご当地飯としてぐんばつ。
食べた後、流石に疲れもあって車の中で仮眠をとり、閉館する前に車で2分程の黒滝森物語村へ行き、ここの銭湯に入浴。床が畳、浴槽が吉野杉の大浴場。設備も少ないが、こういうのでも良いんだよこういうのでも。その後ゆっくりして、日付が変わる前位には帰宅。
いつも通りノープランで行き当たりばったりだったけど、久々の車中泊をやったことが無い場所で試しつつ、奈良県南部の開拓にも成功して、充実した2日間を過ごせた。
御土産はあんまり多くは買わず、吉野の酒造のお酒を300ml1本とくず餅、そんで樽酒を作るための吉野杉チップ。これを5合瓶に入れて1週間待てば樽酒になっているそうだ。
そして翌日、結局持って行ったのに使わなかったガジェットを試してみた。シガーソケットで湯を沸かせる電気ケトル。12Vで必要電力は80Wなので、軽自動車でも使えるタイプ。これがあれば車旅でもどこでもお湯を沸かせるから、色々な心配から解消されるってわけ。
試しに家でエンジンをかけて使ってみたが、大体25~30分で300mlの湯を沸かすことが出来るようだ。流石に軽自動車の電力では時間が掛かる。が、この車でも問題なく使えることは確認出来た。この先の車旅、これがあれば携帯コンロ等が無くても色々とやれることが増えそうだ。