Thisコミュニケーション 第29話 パリンプセプト 感想

まさにThisコミュニケーションらしさに溢れた1話。これがたった1話で纏まってるのが凄いです。そして第7巻も同日発売で今回は吉永君が描かれたセンターカラー。

更に7巻ではグッズのプレゼント企画も実施。欲しい方はコミックの購入と応募をお忘れなく。

ちなみにタイトル名はwikiによると「パリンプセスト(英語: Palimpsest)とは、書かれた文字等を消し、別の内容を上書きした羊皮紙の写本のことである。」だそうで。上書き、成程。

イペリットの特性、デルウハ殿の根本、吉永君への救い

コピーデルウハ殿、略してコピルハ殿の勢いのある顔が何度も差し込まれるの草不可避。

よみを置いて逃げたデルウハ殿は吉永君を回収していました。まだ生きてたよ吉永君、そして吉永君が協力してくれるなら、デルウハ殿にも打つ手はあると。それにしても超遠距離からロープ括りつけた迫撃砲で吉永君を回収するとか、やはり弾道の計算能力とんでもねぇぞデルウハ殿。ところで本当に吉永君は仲間なんですか?

結局吉永君はこれまで、一方的に「デルウハ殿は悪、その悪からハントレス達を救う」とばかり考えていて、その救おうとしているハントレス達と向き合っていなかった。そして悪であるデルウハ殿の方が、やり方は悪魔だけど労力も時間も掛けて彼女達と向き合い、吉永君よりも彼女達一人一人のことを正確に認識している事実。・・・そうなんだよな、最低殿はデルウハだけど、一応一人一人とのコミュニケーションを怠ることはしないんだよね。

そしてあのデルウハ殿の吊られた氏体の種明かしとなる2人の取った策ですが、これまで提示されてきたイペリットの特徴、二本足の出来ることをデルウハ殿の頭脳で総動員させた盛大な自分との化かし合い。

確かに、直前に姿を本物そっくりに擬態出来る人付きと戦ったばかりだったんですよね。そして二本足はメチャクチャ巨大で、ほんの僅かでも繋がってさえいればイペリットは溶けることがない。吉永君は他人の脳に情報を入力、つまり記憶を読ませることが出来る。

これ等を駆使すれば吉永君がデルウハ殿の首を刎ねた記憶を実際に生み出しつつも、その記憶を読ませても違和感が無い精巧な氏体を作成することで可能になり、コピルハ殿を見事に騙したと。いや、流石にこれは蘇生も不可能じゃね・・・?と思っていたし、吉永君が手を貸してくれることでここまでのことが出来るとは思ってませんでした、完全に騙された。

けどじゃあデルウハ殿はその後何をしてたのと言うと、8時間経ってハントレス達が自分の氏体を見てショックを受けてる所に登場。・・・うん、ガチすぎるよねこの氏体。超シリアスな場面に差し込まれるこのThisコミュ特有のギャグ。

そしてこの氏体の正体こそ吉永君という更なる二段構え。頃されたフリをして氏体に移動していたので吉永君も無事だった。2人揃ってコピルハ殿を騙してたんですね。けど、そこまでやっても二本足の力を得たコピルハ殿を本当に倒せるの?これ次のページで2人ともバラバラにされてない?と思いながらめくったら・・・

コピルハ殿、何故か動かず。膝を折り無抵抗で首を差し出す。・・・??????え、なんで?あれだけ大暴れしてハントレス達を無力化したのに何で?と思ったけど、その後デルウハ殿が両断しながら放った言葉を聞いて納得。イペリットは腹が減らない、つまり食事が必要ない、取れない存在なのだ。

そうだよ、1話でデルウハ殿はパンとサラミが食えないと絶望したから自札しようとしたんだ。そしてパンとサラミが食える生活の為にハントレス達を率いているんだ。それがデルウハ殿の行動原理であり全てとも言える。それが無い、腹の減らないデルウハ殿は生きている意味が無い存在。つまりデルウハ殿はイペリットになった時点で詰む。

先月号の最後のページの煽りの「盤上は地獄絵図 如何にして詰んだのか・・・」はデルウハ殿とハントレス達のことじゃなかった。如何にしてデルウハ殿はコピルハ殿を詰んだのか、そういう意味だったんだ。

そして決着を着けた後、今度は吉永君も首を差し出す。吉永君が協力したのは、デルウハ殿が本心から「俺を救ってくれ」と頼んだからでした。誰も救えないと絶望した神父に、この世でただ一人救いを求めた存在がよりによってデルウハ殿とは。

しかし、デルウハ殿を求めの通り救ったことで、吉永君自身もまた救われた。悪魔ではあったものの、吉永君という存在とある意味一番正面から向き合っていたのもまたデルウハ殿。その本心からの言葉だからこそ届いた願いとも言えるのかな。何にせよ、推しいキャラが退場することとなりました。

コピルハ殿との決着だけでなく、吉永君とも救いのある決着で〆るという、非常に読み応えのある一話でした。二本足討伐編もこれでひと段落とすると、次回からどんな展開が待っているのか、楽しみですね。

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