ガールズ&パンツァー 劇場版Variante 6巻 感想

いっけぇー観覧車先輩ー!!!

ガールズ&パンツァー劇場版のコミカライズ、「劇場版Variante」の6巻が10月23日に発売となりました。大洗(うち)らしさを見せつけカールを撃破した大洗連合、遊園地跡へ転身し大学選抜との試合も後半へ。

そして今巻ではお待ちかねの観覧車先輩のシーンということで、アニメイトの描き下ろし特典にはウサギさんチームというか、澤ちゃんと観覧車先輩が抜擢。ふはは待ちに待った澤ちゃんの特典色紙だ買うしかねぇ!!澤ちゃんと観覧車先輩はこの間の交響曲コンサートでも描き下ろしの対象に選ばれていたし扱いが良いですね、ええ。

自分たちには何が出来るんだろうか

6巻の帯に書かれているのは「自分の役割を果たすって、実はけっこう難しい。」今巻ではこの謳い文句の通り、自分たちに出来ることを模索する様子がよく見られます。

30輌もいるので一人一人にスポットが当たる時間は短い大学選抜戦ですが(試合時間でいえば1時間もない)、当然みんなが色々なことを考えている。Varianteの大学選抜戦は、主に戦闘と戦闘の合間での会話が沢山増えています。

ちゅうわけでナカジマとねこにゃーは自分達だけ参加していなかったあんこう音頭をどこかのタイミングで士気向上に使おうと考えていたみたい。ナカジマは一人だけあんこうスーツにまで着替えてる徹底ぶり。・・・というか、恥ずかしいと思ってなかった。まさかド天然属性まで持っていたのかナカジマ。

退艦の時だけに留まらず、試合中でもみぽりんが心配なねこにゃーというキャラ付けが本当に良い。沙織んと華さんを除く唯一のクラスメイトである設定が活かされています。

そして最初に歌を繋げるのがキャプテンなのが良い。生まれも育ちも大洗だからっていうのもあるけど、2巻での「陣頭にて気を吐き士気を高めるアスリート」というカバさんチームの評の通りの行動をここでも実行している。伊能先生、大学選抜戦までに大洗の全員を掘り下げているので、それをそのまま持ってくることで「大学選抜戦の中、一人一人はここでは何を考えて何をするんだろうか」というのが読んでいても納得出来て、本当に構成が上手い印象です。

その他、アンツィオのGPSの恩恵が様々な場面で語られたり、まほとエリカの乗員との会話を何気なく挟んできたり、試合開始前から続くエリカとカチューシャの奇妙な関係性が続いていたり、試合を見守る大洗の生徒や住人達の様子も描写されたりと、今回も細かい所まで加筆が行き届いて読み応えたっぷりの内容になっています。

色んな比較

前述した大洗女子一人一人の掘り下げは観覧車先輩に至るまでの流れとしても自然に機能していて、マウスの時と同じようにT28に抵抗するも敵わないカモさんはその後包囲されて、ゴモヨは悪行を積んでいた自分達のせいかもしれないと吐露する。それを聞いたそど子は、自分達とは逆で善行を積んだ子達へ望みを賭ける。観覧車先輩はウサギさんチームが積んだ善行の恩恵という形での表現ですね。

ただ、澤ちゃん達だけでは観覧車先輩は狙い通りの方向には飛んでいなかったことにもなっている。自分たちに出来ることを模索し実行に移せるけど、それを為すにはウサギさんチームはまだまだ未熟なのが強調された感じですね。

一方の知波単。エキシビションで皆の努力が報われる勝ち方を模索していた西さんと、間近でそれを見ていた福田。知波単ではなく大洗の一員となった今がその好機とアヒルヘッド作戦を敢行。流れそのものは大きく変わってはいませんが、この試合中の変化にも最終章での変化にもより納得のいく構成。玉田と細見には最終章2話での会話の流れが逆輸入されていたり。

が、玉田に忍耐が足りなかったように、知波単は実行に移す腕もあるけど、心の方がそれを成功させるのにはまだ不十分という感じ。

そしてケイ。バミューダ三姉妹にサンダースが全滅させられる所が大きく変更され、足回りに異常を来した黒森峰のティーガーⅠとⅡを護る為にシャーマン3輌が別動隊として三姉妹と対峙し、ケイだけ先にやられてアリサとナオミは離脱。そしてケイはやられる前に観覧車先輩を撃たせたことで、一度限りと思われていた観覧車先輩は再びどこかへ向けて動き出した。大洗を助ける追い風となってほしいというケイの願いが届くかは、もう少しだけ先の話。

劇場版において、持つものとしての責務として大洗の戦車を匿い、大洗の一員として組み込まれれば最後の最後までチームの為に役割を全うする。受けていないジョークも、ナオミの調子を上げるのに一役買っている。劇場版では終始裏方として徹し続けていたケイさんですが、Varianteでは出番も増えたことで彼女の印象はより強くなっていて、この巻の謳い文句、「自分の役割を果たす」ということを誰よりも自然に体現している存在として描かれていますね。

伊能先生がどこまで狙って描いているのかは分かりませんが、こうして読んでいるとそんな違いも見えてくる。それぞれの描き分けが見事です。

果たして今後の展開はいかに

今回はカール撃破後から観覧車先輩発動後までの内容でしたが、バミューダ三姉妹がケイさんだけ先に落とすという大きな展開の変化があった為、ひょっとしたら終盤までの流れにも少し変化があるかもしれません。

良質なアレンジとして毎巻楽しく読ませてもらっている劇場版Variante、大学選抜戦も後半に入りましたがこの先も要注目です。

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