ふだつきのキョーコちゃん 全7巻 感想

気づいたら放置したままになっていた、「からかい上手の高木さん」でお馴染みの山本崇一朗先生の作品の一つ、「ふだつきのキョーコちゃん」の紹介記事を今日は書きます。

ツンツンした妹がお札一枚で素直に

ふだつきのキョーコちゃんの主役は高校生の札月ケンジと、その妹の札月キョーコ。シスコンヤンキーとして恐れられるケンジは、妹に誰も近寄らないように片っ端から排除していますが、実はそれには理由があり・・・

キョーコは妖怪の一種キョンシーで、お札代わりのリボンが外れると見境無く怪力を発揮して死ぬまで人の血を吸うようになってしまう。あと凄く素直になる。その秘密がバレない様にするため、ケンジは今日も端から見ればシスコンとしか思えない行動をする。

この設定が肝となっている為、ほぼ毎回キョーコはお札が取れて素直になって本音を喋ります。普段はかなりツンツンしていますが、実際の所キョーコもブラコンです。

妹とのラブコメではない

ただまぁ、妹がクローズアップされている為に誤解を受けそうですが、

兄妹ラブコメではありません。

ケンジが好きなのは、クラスメイトの日比野さん。キョーコの秘密を守る日々を送る中で、キョーコもケンジも恐れず近づいてきてキョーコの親友となるヒカリ、終盤にケンジの最大の障害となる神藤。

当初は兄妹揃って孤立していたはずが周りに人が増えて賑やかになっていき、それと並行して少しずつケンジと日比野さんの距離が近くなっていきます。日比野さんが出ない回もありますが、全7巻をかけて誤解やすれ違いもしながら両想いへと変わっていく二人の様子は、高木さんを描いている山本先生だけあり非常に丁寧で見応えがあります。

高木さんの影に埋もれた不遇の作品

隔月連載だった高木さんの方が圧倒的に人気と知名度を得た結果か、徐々に高木さんの掲載回数が増え、遂には高木さんが毎月連載になるとそれと入れ替わるかのように連載が終了してしまったこの作品。

途中からケンジと日比野さんの恋愛模様がメインにシフトしたことで、当初のキョンシーの設定が足枷になっていたようにも見えるし、どうしてキョンシーになったのかも、これからキョーコがどうなるのかも放置したまま終わってしまったのでそこもモヤモヤしてしまうポイント。

しかしキョンシーの設定を生かしたキョーコの二面性の魅力、初々しいケンジと日比野さんの恋模様、ヒカリの奮闘する様など、ラブコメ&青春モノとしても自分は好きでした。

高木さん以外の山本先生の作品を知らない人にも、是非とも一度読んでもらいたいと思います。舞台設定も共通ですしね。

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