ダウナーお姉さんは遊びたい 第3話 コロコロへの深すぎる愛が感じられる沢田ユキオ先生とのコラボ回だった

まだ2週間前に連載が始まったばかりの、「ダウナーお姉さんは遊びたい」。アグネスタキオンっぽい見た目のダウナーでクールに見えて、その実コロコロコミックに取りつかれたコロコロジャンキーお姉さんがとある少年と刺激に溢れたコロコロライフを送る、全てのコロコロコミックを愛する者へ送る漫画。

何せ1話目から上着の裏に多数のベイブレードを隠し持ち、2話では公園でハイパーヨーヨーに興ずるヤベェお姉さん。1話の扉絵が示す通り、ありとあらゆる今昔のコロコロホビーに精通したお姉さんが遊ぶ漫画なのかと思いきや・・・

コロコロの神を召喚することへのリスペクトが多分に含まれている

3話目にしてスーパーマリオくんの沢田ユキオ先生を作中に召喚するという余りに斜め上にぶっ飛んだ展開。いや予告の時点で沢田先生が見えていたんだけども、中身も想像以上と言うか、コロコロを愛する=ホビーもコロコロの作品も先生達も含めて全てを愛するという意味だったことが明らかになった。しかもただのコラボに飽き足らず、作者の山鷹景先生の造詣の深さも分かる回だった。

まず扉絵がスーパーマリオくんの1巻の表紙の再現。更にあのお姉さんがマリオくん時空に呑み込まれる。最近じゃ「すなー!!」ばっかり取り上げられてるが、実際の所ボケ倒していくのに対して「〇〇だろー!」とか「どど~っ」とズッコケたり、指だけ差しながらツッコミ入れたり、そういうツッコミの方が全体的には多いのだが、その流れだけでなく絵までも完全に沢田先生とマリオくんをトレースした内容が2ページに渡って丸々繰り広げられるという凄まじいものを見せられた。枠外のツッコミまでも完備。絵も含めて、マリオくんへの深い理解が無ければ到底描くことは出来ないだろう。

更には「ギャグ聖人になりたいです!」というお姉さんの魂の叫びに対して沢田先生が返すのだが、このやり取りにも元ネタがある。あるのだが・・・「でんぢゃらすじーさん」の曽山一寿先生が、マリオくん30周年で寄稿した小学生の時の沢田先生のサイン会のエピソードを描いた寄稿漫画をリスペクトしているのだ。(単行本では第57巻に収録)

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しかもこちらは2ページに渡って元の作品からコマ割りなんかもほぼ忠実に再現するという力の入れよう。コラボ回で他の先生が描いた寄稿漫画を忠実に再現する、異次元のリスペクト。メタ的に考えると、咄嗟のアドリブでそれを再現できる程コロコロに精通しているお姉さんのコロコロジャンキーっぷりもまた凄いことになるわけで、お姉さんの底の知れなさも3話にしてより深くなったと言える。是非ともこれについては57巻を実際に読んでみてほしい、この回が分かる人には分かるヤバさを多分に含んでいることが一目瞭然だからだ。

更にはお土産に渡してきた「ザコシのメガネ」、これも沢田先生が曽山先生に渡しそびれたお土産という曽山先生のエッセイ漫画のエピソードが元ネタという・・・沢田先生とコラボしながら曽山先生への深いリスペクトまで感じられるというか、実質的に曽山先生ともセットでコラボしていると言っても過言ではない。

おまけにラストには沢田先生が実写化するというやりたい放題まで見せてきたわけだが、沢田先生は4巻という30年も前の頃に既に白黒で著者近影が収録されていたことがある。それも間寛平師匠とのコラボという凄い企画で。その後も14巻から表紙裏の作者コメントに度々近影を載せている為、沢田先生の実写化もまた、マリオくんへのリスペクトだと言える。

まだ3話目なのだが、たった3話目にして山鷹景先生のコロコロに関する全ての事柄への愛の深さも分かる、コロコロ愛に溢れた回だった。早い段階で沢田先生というある意味最強のカードを切ってしまったが、同時に分かる人にはこれ以上無くコロコロ愛の深さを示すことにもなっている。山鷹先生が今後どんな風にコロコロへのリスペクトを描いていくのか、今後も注目したい。

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