七星と鬼碑忌関連に決着の付く第8巻。既に6人での探索となっており、ゲームとは最終的な目的や進行ルートこそ同じですが、過程が大幅に異なっていきます。
店舗特典は直美&世以子と、直美&あゆみ。直美&世以子の絵は、グリグリから出たBCのサントラのパッケージに近い絵です。
また、8巻発売時は大きなフェアがあり、ラフ絵集やポスターも別途特典に存在。
更にゲーマーズでは当時連載中作品の人気ヒロイン集合のビッグポスターもありまして、直美とあゆみがセットで中央を飾るという待遇がされていました。連載中に一番厚遇された瞬間でしょう。何気にメガネのあゆみのカラーはこれしか存在しなかったりします。
呪詛三十四「深淵を覗く者」
宿直室でテープを再生した哲志達。映っていたのは鬼碑忌と助手の田久地。一度は彼らが逆打ちで帰還したのを見て自分達も帰れると喜ぶも、突如テレビが勝手に映像を映し出す。そこに映っていたのは、謎の黒い人影が鬼碑忌を絞め殺す映像だった・・・
一度鬼碑忌達が帰っている以外は内容に大きな変更はなし。しかしまたあゆみが良樹に抱きついている。どうも漫画版における癖らしい。いいぞもっとやれ。
呪詛三十五 「せんせいだいすき」
映像の通り亡くなっていた鬼碑忌の霊は宿直室内にいた。彼の口から語られたのは、現世に置いてきたはずの七星がサチコに付け入られ正気を失った状態で目の前に現れ、彼女に殺されたこと。そして七星の霊能力がサチコに奪われて逆打ちでも今は帰れないこと。
哲志達は七星の奪われた力を取り返し、弱らせたサチコを成仏させることに。鬼碑忌と会話すること自体がそもそもゲームに無かった他、七星と鬼碑忌の関係が男女のそれである疑惑まで浮かぶなど、色々見所のある回。
呪詛三十六 「四分五裂」
雑誌掲載時はセンターカラーの回。鬼碑忌から逆打ちの方法を授かりますが、そもそものサチコさんのお呪い自体が正しいやり方ではないと発覚。
ゲームとは違い、それを知った場に5人全員+先生もいる状況の為にあゆみが愕然として震えだした所に直美から凄まじい罵声を浴びせられる。哲志が場を治めるものの、あゆみと直美の間には軋轢が残る・・・というのが前半の内容。
ゲームではお呪いの真相について最終決戦直前まで哲志達が知らないので、そこを上手くアレンジした構成ですね。特に直美とあゆみは会話自体がかなり増えており、その後の展開にも大きく影響を及ぼしているので、ただ合流させて統合してるだけでなく5人の関係も改めて掘り下げています。
二手に別れて七星を探すことになり、哲志・直美・由香組と良樹・あゆみ組に。哲志達は押入れから隠し通路を通って(途中スケベハプニングあり)女子トイレに出るゲーム通りの通行。良樹達は資料室で七星を発見する。
不器用にも結衣先生を気遣う良樹が個人的には良い描写だなと思います。あゆみはあゆみで自身の責任だからと自分が決着をつける意志を固めており、こちらも掘り下げとしてはナイス。
呪詛三十七 「光風霽月」
七星を発見した良樹とあゆみ。やはりウソのお呪いのやり方はわざと七星が書いたものだった。
・・・しかし、七星の様子からサチコに正気を失わされた為にやったことだとあゆみは推測し、七星と鬼碑忌の死体の写真を見せて正気に戻そうとするが、七星は怨霊と化し、2人に襲い掛かる。あわや2人とも死の危機、助けてくれたのは鬼碑忌だった。鬼碑忌のおかげで正気に戻った七星。哲志達も合流し、七星は事の顛末を話す。
ゲームと違い、鬼碑忌と七星に救いがもたらされているのが最大の変更点。また、あゆみが良樹に対して無意識に顔を赤くするなど、こちらも見所。
ちなみに、タイトルの光風霽月とは、「超然としていて心に何のわだかまりもなく清々しい様。光風は明るいさわやかな風を意味し、霽月は雨上がりの晴れた空にある澄んだ月のことで、殊更光が冴えて見える」という意味らしい。鬼碑忌の役に立ちたい、その一心しか七星にないことを表している。
呪詛三十八 「縁」
扉絵はお絵かき中のあゆみ。私服だが後姿だけなのが残念。
pixivに実際にあるアカウントは、良樹だけいなかったりして地味に細かい。また、BloodDrive発売前には狂気的なイラストがR-18Gで投稿され、それ以後は一切更新がありません。
話は七星の回想から始まり、BS8章にも出て来た廃屋を七星が探索した時にサチコに取り憑かれ、鬼碑忌達が天神小に行った頃には既に正気を失っていたことが判明。
連載時は既にBSも発売していた為、そこから逆輸入して七星の親友だった大上さやかについても後姿が描かれたり、巻き込んだことへの七星の後悔も聞けます。
あと、田久地の七星からの評価はやはり高くはないらしい。正気を取り戻した影響もあるが、年相応な七星の一面が見える。
が、サチコが突如襲来して鬼碑忌が退場。哲志達にも襲い掛かるが七星が迎撃し、浄霊しようとするも力及ばずこちらも退場。
命からがら逃げ出した哲志達。七星がサチコを浄化しようとした際に唱えた呪文が、自分だけ聞き取れたのが気にあるあゆみ。その傍らで直美が哲志から気遣われるのを見て、嫉妬心等の暗い感情から黒化が始まる。
逆打ちに必要なのはお呪いに使用した自分の切れ端。自分のが見つからず焦るあゆみだが、直美の手帳と切れ端をまだ返さずに持っていたことを思い出し、邪悪な笑みを浮かべる・・・
あゆみにスポットが当たると同時に、ゲームでの悲惨なバッドエンドの仲間割れも想起する不穏な終わり方。9巻10巻では更に細部の掘り下げが行われ、メイン5人それぞれの心理描写も増える等、より厚い内容になっています。
余談
カバー裏はチア衣装の七星とあゆみ。おまけ漫画はスポーツテストの様子。ここで直美がバレー部であること、世以子が運動出来ること、あゆみが運動オンチだと発覚しました。