コープスパーティーTortured Souls 感想&レビュー ネタバレあり (旧ブログからの移設)

(記事作成日 2013.7.25)

旧ブログからのコープス関係の記事の移設一発目は、OVAにしました。特に理由は無いのだが、数が多いのでなるべく簡単なものからやります。

1話~4話を見ながら呟き風に書いた感想と、その後に書いた総括の感想で構成。

1話 「多重的別離」

見始めてすぐ思った点。

良樹の名札、下半分がポケットに入ってねーじゃん!!

あれは髪と同じく良樹の反骨精神の表れだから、あれがない良樹はただの金髪でしかないと思っている。・・・まぁあの原作者が気づいてないはずはないだろうから、わざとアニメはそうしたのかもしれんが。

哲志も漫画じゃ長袖まくってるし。全体的に、冒頭からして2Uのアレからは相当改善されてますね。全員かなりキャラデザも作画も良くなってる。良樹と森繁がイケメンだ。

OPも映像は良い感じだったと思う。歌も悪くないし。

保健室の演出は・・・うーん?

紫のオーラ好きだなこのアニメは。

血の手形が一気に大量につく演出は中々恐怖を煽ってきた。が、ちっとヨシエさんが先述の紫のオーラのせいで幽霊どころかシャフトの魔法少女アニメの魔女みたいになってたのと、都合よくスカートの片端だけ上がるせいで恐怖が薄れましたね。大体、直美は胸担当じゃなかったのか。怖いところで無理にパンツだの胸だの見せようとしてもどっちつかずなんじゃないのか?と思いました。

グロいのはかなり前面に押し出してきてるね。正直漫画版以上にグロい、グロさはBCの中で一番じゃないかな。

で、1章最大の山場。絶命と同時にBGMが止まる演出は良いね。佐藤さんがかなり良い演技してるから必死さも表現できてる。

1章丸々やって残り3話で2~5章は尺足りないだろと思いますが、1話単体では、省けないとこは省かず丁寧に1章をアニメにしたと思います。

2話 「壊れる蝶番」

おー、冒頭からグロいやん。ってか、ホント紫のオーラ好きやな。霊の色としては確かに分かりやすいんだろうけども。

監禁された別の生徒達の視点がこれまでなかったので彼らの狂う様は初めて描写されたな。これまた紫のオーラで統一だが。もう青と赤は廃止で霊全員紫か。アニメで青と赤に分けてる時間ないし。

森繁と七星が会うのもこれが初めてか?BSの小説でちょろっと占いの結果として出てたし、2の竜司とも関係があるみたいだし、地味に森繁は人気だな。

森繁視点→哲志視点→あゆみサイドか。一応これで哲志に会うまでの森繁の補完がかなりされたか。しかし3章が冒頭で半分進んでしまったぞおい。

更に2章はいきなり遼君との遭遇から開始で結衣先生カットかよ。・・・と思っていたら結衣先生パートが大幅改変でマモレナカッタ・・・森繁がもうあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛しちゃったし遺体の一部返却はあっさりカットしてしまった!

つまるところ、章で分けるんじゃなく各視点で分けて再構成してるようです。

あ、あれぇ?何故森繁がダイブせずにここにいるんですかい?しかもそのバールはどうしたんですお?(汗 完全に5章の刻命の役目と一体化してしまったし明確に由香に死ねと言ってますな。

そして唐突に現れるその刻命。森繁どこに行ったのと思っていたら突然始まるブレイブルー。森Pに媚売らなくて良いから。これホラーだけど戦う系のホラーじゃないから。しかもここで殺されるのか森繁。扱いが良いのか悪いのか分からん。

でもこれで手早く刻命を豹変させて2~4章はたったの1話で終わらせることが出来ました、と。時間を上手く使う為に苦心して構成したのは評価します。良樹が役立たずで何もしてませんでしたが。

3話 「届かぬ想い」

直美が携帯取り出す一連の流れがやけに滑らかだったなぁ。この携帯のシーンもゲーム、漫画、OVAと見てきたがOVAが一番良いかもしれない。ゲームは操作の関係上台詞の度に止まるけど、アニメだと止まらないから夏美さんの悲壮感がよく出てる。変な声がそれを掻き消す不快感も一番伝わりやすいし。

狂った刻命は良い感じだったんだが、いかんせん立ち止まっ笑ってるところを後ろから来たのにも気づかずやられる間抜けさが何かもう全てを台無しにしてしまった気がする。つかお前も退場早いし!

尺的に七星はとっとと哲志飛ばして良かったんじゃないかと思うがなぁ。おまじないは人が人を~ってのはあゆみが元々知ってたみたいだし。そして雪ちゃんが触った篠崎あゆみの胸は見事に平坦である。ここはどうしても飛ばせないから仕方ない。可能な限り雪ちゃんを早口にして一秒でも稼ごうとしたのが分かる。

暗転無しで容赦なくグロいのやってきたなぁ。今回の良樹は全く役に立ってないが、それが逆に戻ることへの恐怖心の表現に上手く機能してる気がする。一方で一人で殆どやってしまったあゆみが冗長してるようにも。哲志と直美の合流が普通に起きて何も起こらなかった・・・

世以子の死体、漫画のは綺麗過ぎたからこうなったんだろうか。時間がかなり経ってそうだけど。

で、由香はやっぱり漏らさせる、と。そんで場所は変わるがパンツは隠す。

刻命は・・・え、えぇ!?お前人体模型にされたけど意識そのままかー。遂に由香を殺せたかー、良かったなー。でも良樹に頭をホームランされちまった辺り、やはりどこかしまらないなこいつ。まぁ人体模型を良樹が倒して死んで、あゆみが生き残るのは初代から存在してる展開だからこれは狙って差し込んだシーンなのだろう。

その良樹は良樹で半端なくグロい殺され方しちまったなぁ。OVAでは結局ここでしか活躍できんかったか・・・

4章哲志サイド&4章あゆみサイドED→5章中盤までここで消化。もうポンポン死んでくね、最終回に向けた在庫一層セールの如く。良樹は小説だけでなくOVAでも理科室で死んでしまったか・・・そういうとこは初代を尊重してるよなぁ。

4話 「哀しき真実」

鬼碑忌先生、開幕退場。まぁ出れただけ彼はマシな扱いである。黒崎達や田久地はこのアニメには影も形も無いからのう。だって「カメラマンを携えた」だもん、名前すら出ないもん・・・

・・・え?今更「岸沼君、私達を守って」って・・・なんと都合の良い女ですか、これでこそ篠崎あゆみですよ。でも尺の関係か直美への嫉妬は全然出ませんね。

漫画版で切れ端は同じもんじゃないと駄目だと田久地が説明したが、それがなくて知らないので死体を漁る浅ましい直美さn・・・直美さんが保健室に入っただと!?

こっちの七星さんはゲーム基準でかなり打たれ弱かった。でもイカスミは忘れない。

アニメで無限落下再現するとえらいシュールだなぁ。

あ、ここで結衣先生なのね。・・・え、そんな簡単に首飛んじゃうの?てかたったそんだけの為にここで再登場?何がしたかったんだ。

ええい、設定を毎回毎回変えやがって。ゲームでも漫画でも、黒化が始まっても逆打ちして帰れば問題なかったという設定だったのに、アニメでは黒化を押さえ込まないと帰れないのか。これだから設定のズレが起きたりしてファンが混乱するんだ。

おいそのガンダムみたいなメガネの発光はやめろ、ギャグにしか見えんから。マジで大事なところで白けるパターンが多いぞこのアニメ。

お、おぉ・・・最初の方で刻命のを拾ってたのはこういう展開の為か。ようやくこれをやるとどうなるのかがはっきりしましたね。そして助かったと思った哲志があぁなったのもあり直美は精神は崩壊、あゆみは一人で篠崎家を調べに行くだろうから死んで全滅、だな。

(後に実写映画はこれに近い展開を取り、BSに続き更に悲惨なことになるのだった)

全体総括

まず一つに、やはり尺が足りなかった点は無視出来ません。1章は大事な部分をそのまま持って来れましたが、2章~4章は大幅に縮小。結衣先生はチョイ役にされてしまい、ある意味一番の被害者。CV.沢城みゆきの無駄遣いと言えるでしょう。

一方で森繁はやけに優遇されており、哲志と出会う前のシーンも補強され繭がモツだと気づいたのにダイブせずどこかでバール手に入れて完全に狂ってから由香に遭遇するわ、おまけに刻命とブレイブルーして派手に殺される始末。数少ない出番である回想までカットされた繭とはえらい違いです。結衣先生とは逆にアニメ化による一番の出世頭と言えるでしょう。

忘れてはいけない刻命は、半身人体模型になっても意識そのまま、遂に由香を殺せたと思ったら良樹にやられたりで、やはりインパクトを残してくれました。ただ、森繁を殺したと思ったらいきなり豹変して僕がお兄ちゃんとか言い出した辺り、無理矢理感はありますね。

その他の点でも、回想がほぼ0になったり大幅にカットした結果、なんか色々と唐突な印象が否めない。あゆみが霊に取り憑かれるけど、それにまつわる色々はカット。由香のお守りはOP映像に出るだけ。あゆみ・良樹の2章4章はすぐ終了で、被害者の霊も時子ちゃんは繭の時だけ、遼君が全力で襲う係&成仏させられる係で、雪ちゃんは現世に帰ってからしゃしゃり出てくる、とかなりの駆け足。

話を終わらせる為に必要な情報が出てくるシーンは一つとして省けないから、代わりに各キャラの印象的なシーンは省こう、という作りになっている点が残念でなりません。

人間関係についても、良樹→あゆみ→哲志⇔直美を描写する時間が無く、あゆみの直美に対する嫉妬や黒化がカット。良樹が何故あゆみに惚れて彼女の為に命懸けなのかもイマイチこれだけでは掴み切れません。哲志と直美の合流に際しても直美が首を吊ってたりするわけでもなく普通に合流。数少ない主人公らしいシーンがカットされた哲志であった。

振り返ると、哲志も殆ど活躍してませんでしたね。漫画版で何故5巻に追加エピソードが増えたり、由香の救出を哲志が主導でやるように変更したり、最終話で直美を救うようになっていたのかって、哲志の活躍を補強する為だったんですよね。あれだけ補強して、やっと普通のホラー作品の主人公らしい活躍と存在感があったんですが、今回は主人公らしい場面が殆ど無かったのが残念。人体模型を倒すのは良樹の役目だから理科室でも何も出来ず、最後にサチコを命懸けで止めるくらいしかしてませんでした・・・

一方でR-15だけあってグロいのだけは存分にやっていたが、何故これがR-15で2Uのは18禁だったのかが理解に苦しむ。エロの方は直美とあゆみと繭が所々でパンツ見せます程度。

・・・正直、グロ以外の全てが中途半端なアニメ化と思いました。上映会にわざわざ行ったり1万円越えるDVDやブルーレイを買うくらいのファンであるなら大筋なんて全員分かってるので、だったらそんなものをわざわざ辿らずとも、もっと各キャラの絡みや印象的なシーンに時間を割いてしまえば良かったと思います。

キャラ・エロ・グロ。ファンがこの内どれに一番魅力を感じているか、それをしっかり把握してアニメ化するべきだったのではないでしょうか。

グロが見たかった人には十分な出来でしょうが、キャラが好きな人にはこんなものでは正直全然物足りないでしょう。

何より白檀組や鬼碑忌に田久地といった魅力のあるサブキャラ達が一切出なかったことで、妙に規模がこじんまりしている。由香が刻命に会った以外で、他の生存者とは全く出会っておらず、妙に規模が小さく感じてしまうという意味では、コープスパーティーACと同じ過ちを犯しています。

ただ誤解しないで欲しいのですが、1から10まで批判しているわけではない。2Uのアニメから更にここまでクオリティを上げたのは明白ですし、OPは映像、歌ともに良い出来だった。何より120分程度で天神小編をアニメにする為、苦心した点はそこかしこに感じられます。それでもやはり、尺が圧倒的に足りなかった。

せめて120分・120分で、1クールアニメに近い時間を使って前後編として製作出来ていれば・・・そう感じました。

それともう一つ。代名詞であるアッハァ!!をアニメにしなかった、つまり篠崎あゆみを狂わせなかった。その時点でこのアニメ化は半分ほど失敗していると思います。(ある意味、映画はそこ上手いことやってた)

コープスパーティー Tortured Souls ― 暴虐された魂の呪叫 ― Blu-ray BOX

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

関連記事(一部広告)