劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 を観ました 詰め込まれたごほうびタイムを映画館で食い散らかせ! ※ネタバレ注意

”もう1回”が無い試合を観戦しよう

稲荷崎との試合までをテレビアニメで描いたハイキュー!!のアニメの続きは劇場版へ移行。その1作目となる「ゴミ捨て場の決戦」が公開されたので早速観てきました。

入場特典の33.5巻、先日ジャンプに掲載された描き下ろし以外もひじょーーーーーに良いものなので欲しい方は絶対に劇場に行ってね!

何年か前に連載が終わってから一度このブログでも書きましたが、ハイキューは熱いシーンに名台詞が盛り沢山で、スポーツそのものとそれに関わる選手含めた全ての人へのリスペクト精神が他のスポーツ漫画以上に溢れてる所も好きな作品で、アニメも凄く出来が良かったから、例え劇場版アニメ一本で烏と猫の戦いを描き切るとしても絶対見応え抜群の試合が観れるなぁと思っていたので密かに公開の日を待っておりました。

さっすがに女子ばっかりで男一人で観に行くのは俺くらいなんじゃないかと不安でしたが、行ってみれば全然そんなこと無かったですね。そもそもジャンプで45巻も連載していたあんな面白い作品を女しか観に行かないなんて普通に考えたらあり得ませんし。でも音駒推しと思われる女子が帰り際に号泣していたのに遭遇するとは思ってなかったな・・・でも気持ちは分かる、これを観た後ならね。

楽しい時間が唐突に、あっという間に終わる

1本でゴミ捨て場の決戦をやり切るってことは2時間なのかなと気になって確認してみたら、尺はたったの85分。え、これで単行本3巻以上のあの試合を描き切るつもりなん!?本気で!?と不安になりましたが、観終わってみれば見事な構成だったと脱帽しました。

テレビアニメの頃から変わらないスピード感とテンポの良さが更に煮詰まって、日向の速攻で待ち焦がれた観客を鷲掴みにして幕を開けた『「もう1回」が無い試合」』は、凄くテンポ良く進んでいく。1セット、2セット、そして最後の応酬まで、気づけばあっという間に終わったのに、凄まじい満足感に満たされるっていう、本当にリアルで素晴らしい試合を見たかのような充足を得られる85分になってた。

いや、直近で復習してないから正確には把握できていませんが、間違いなく原作からそこそこ削られてたはずなんです。でも試合開始前のスターティングメンバー紹介からきっちりやってるし、お互いの因縁も、試合の構成上外せない所や熱いシーンや掛け合いも、外野も含めて可能な限り沢山残してる。

信じてオープンを仕掛ける影山と籠をぶち破り飛ぶ翔陽の主人公コンビ、バレーにハマる瞬間を経た月島と黒尾の張り合い、祭りに興奮しまくりの菅原とか試合のメンバーは勿論のこと(てか菅さんテンションすげぇ)、圧の凄い木兎さん、痛気持ちいいピョンピョン跳ねる谷っちゃん、応援で戦う冴子さんにアリサとあかねちゃん、嶋田と滝ノ上なんかもカットされてない。

しかも今回は劇場アニメになったからか、大胆にも研磨と黒尾が主役と言っていい扱いへフォーカスされ、翔陽と初めて出会った時や幼少の回想等に結構な時間も割かれてた。それなのに僅か85分で、こんなに上手く満足できるように纏められるんだ・・・って心から震える濃密な体験。冗長にならず、観終わった後の余韻が凄く爽快で、むしろこの為にこの尺で纏めたんだなって思えた。

そして、観終わったらもれなく研磨が好きになる作品だった。前述したように研磨の視点や回想が多いから、「楽しい」って口に出した瞬間、翔陽みたいに叫びたいような感覚になったし(その後の黒尾の高笑いが盛られていたのも凄く良かった)、マッチポイントの応酬もフラフラの研磨の主観視点だから「終わらないでほしい」っていう感覚を一緒に味わって、汗で球が滑った、あっけなく終わる瞬間に一緒に「あっ」ってなれた。

一人の少年が楽しいものに出会えたって感謝が、原作より更に凄く共感出来る構成だった。でも、「面白いままでいてね」は、無音になったのもあって思わずポップコーン食べてた手が止まる程に鳥肌が立ったよ。梶さんの演技がホントに素晴らしかった。

そしてそれがあったから、黒尾の卒業後の進路とその姿勢に物凄く納得がいくようになった。間違いなく、この時の研磨のあの姿、あの言葉がクロの進む道を決定づけたんだなって。

どうか劇場で痛気持ちよく見届けてほしい

公開をずっと待っていた人々にとって、まさしく「ごほうびタイム」と言える最高の85分を楽しめるゴミ捨て場の決戦。ハイキューを好きな人は勿論、あまり知らないって人でも満足出来る作品になっていますので、是非とも劇場へ足を運んでみてください。

ハイキュー!! 45 (ジャンプコミックスDIGITAL) Kindle版

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