コープスパーティーBloodCovered(漫画版) 10巻 感想&レビュー

サチコとの決着が付く最終第10巻。最後の表紙がこの2人なのは当然ですね。

呪詛四十三 「対峙」

前回で田久地も死亡してしまい、生き残っているのは哲志達6人だけに。

地下室を更に奥に進むと、サチコを発見。ゲームのようにぬいぐるみを渡してお呪いをして成仏ってわけでもなく、ヨシカズも普通にいる状態で真正面から相対して浄霊する必要があり難易度がメチャクチャ上がっています。

しかも操られた由香がサチコに襲われ、哲志がヨシカズに殺されかけるなど、いきなり犠牲が出掛ける事態。哲志と良樹はヨシカズと、あゆみはサチコとそれぞれ対峙。最後の戦いが始まった・・・尚、直美は結衣先生に付いているのでやることがありません。おい。

由香が犠牲になりそうなフラグを立てたり、直美は完全に残るつもりだったり、良樹は哲志にまだ嫉妬してて助けに行くのを渋ったり、最終局面でも何一つとして安心できない状況。

呪詛四十四 「少女真情」

哲志達はヨシカズを動けなくしてから、七星の聖水を塗りこんだ鉄棒でサチコを抑え込み、あゆみが魔法陣を書き換えようとするが、想像を絶するサチコの力の前に失敗。全員金縛りに遭い動けなくなってしまう。

サチコに哲志への想いを誑かされ、由香は哲志の腹を刺してしまう。用済みとばかりに由香を傷つけるサチコに哲志は激怒。自力で金縛りを破り、ヨシエの日記を見せ正気に戻そうとするが、負の感情に染まりきったサチコはそれすらも跳ね除けてしまう。もはや哲志達に打つ手は無い・・・

好きな人の傍にいたいって思いは、天神小内において多くの人間が共通して持っているんですよね。それはサチコもまた例外ではないという対比が上手く使われています。

呪詛四十五 「愛 慕」

サチコに対して成す術を失った哲志達。成仏させたいという言葉も届かず暴走したサチコが襲い掛かるが、その声はヨシカズに届いていた。

サチコを止め説得するヨシカズだが、彼の声もサチコには届かなかった。哲志達へ望みを託し、ヨシカズは消滅。しかしサチコの更なる攻撃の前に哲志達は最早殺されるのを待つばかり。

そんな中、落ちた血に反応したのか日記からヨシエが現れ、哲志達を救う。彼女がサチコを抑え込む間に、死力を振り絞り魔法陣を書き換えた哲志達。果たして、あゆみが唱えた呪文は効果を発揮し、サチコとヨシエは生前の姿を取り戻し成仏したのだった。

最大の危機を乗り越えた哲志達。あとは逆打ちをするだけだったが、支配者を失った天神小学校は崩壊を始めた。

ヨシエさんがサチコと一緒に成仏できたという、最大級の救いがある展開に変更。この時はBloodDriveも出ていないので、ヨシエさんは夫を蘇らせようとしたとかそういう事実は漫画版では無かったと考えた方が自然かと思います。

呪詛四十六 「こころをひとつに」

雑誌掲載時はセンターカラー。仲良く寄り添う6人だが・・・

支配者を失い崩壊を始めた天神小学校。いきなり瓦礫に潰されそうになる哲志達を雪ちゃん達が守り、出口へと導いてくれる。渡り廊下から外に出た所で、校舎は崩壊。いよいよ逆打ちをして帰る時だが・・・

自分の切れ端が無いことを告白し、残ろうとする直美。あゆみの黒い感情は直美の切れ端を持っていることを隠し勝ち逃げしろと囁くが、あゆみはそれを振り切り謝罪とともに直美に返却。

帰る帰らないで譲らない二人の姿勢を見て自分が残ろうとした良樹だったが、差し出されたのは結衣先生の切れ端。もう結衣先生は生きて帰れないほど出血過多で瀕死の身だった・・・

先生と最後の言葉を交わし、哲志達は逆打ちをして現世へ帰還。それを見届けた結衣先生は事切れ、瓦礫の山に飲まれていった・・・

結衣先生もまた、漫画版において最大級の救いをもたらされた存在。死んでしまう結果自体は同じですが、最後の最後まで生き残ったからこそ哲志達の成長を見届けた上できちんと別れを告げることが出来、世以子の傍で眠るという後悔無き最期を迎えることが出来ました。

未練を口にしたまま崩壊する校舎に飲み込まれていった原作と比べ、哲志達の「先生」という役割を立派に果たしたと言えるでしょう。BloodDriveの丹羽久遠の活躍は、結衣先生の扱いの反省から来ていると個人的には思います。

最終呪詛 「しあわせのサチコさん」

最終回。こちらもセンターカラー。

現世への帰還から既に一週間が経過。サチコ成仏後や校舎脱出中の描写通り、傷の酷かった由香は入院中の様子。

両親の持田博と美穂も最後の最後に登場。今の所、父親の博の容姿が分かるのはこの漫画版のみ。どちらも哲志と由香の親なのが納得の容姿をしています。

哲志・あゆみ・良樹は失った友達や先生が元から存在していないことになっている事実に驚くも、それでも受け入れて元の日常を取り戻しつつあった。

一人だけ受け入れられなかった直美は、持ち帰った田久地の鞄に残っていたテープの中身を見て絶望し、哲志達の前で屋上から飛び降りる。

間一髪哲志が落下を阻止するが、由香に刺された傷も開いてしまう。このままでは2人とも転落死しかねない。その時、直美の携帯にメールが届く。来るはずのない世以子からのメールに困惑するが、生きて欲しいという世以子からの励ましだと受け取った直美。

哲志達と世以子に心を救われた直美は、哲志達と一緒に生きていく事を決心。こうして世以子達を失った惨劇は、本当に終わりを告げました。

漫画版でも天神小は消えることなく、雪ちゃんが新たな支配者となって犠牲者が生まれ続けていますが、あゆみ→直美の対感情の違いを筆頭に、生き残った哲志達もより前向きに生きていこうとしていたり、サチコとヨシエが共に成仏したりと前提条件が大きく異なっているので、漫画版はBSにもBDにも繋がらず単独で完結したと解釈しています。

総括

チャプター5における大幅な改編は少年漫画っぽいラストバトルや〆方になり、展開もスムーズになっている他キャラ一人ひとりの扱いや最期の変更、特に直美とあゆみの互いの感情についてを中心とする哲志達の心理描写の増加がどれも絶妙に良い方向へ働いています。

総合して、ゲームを原作とした漫画化では非常に完成度の高い作品だと思います。勿論ゲーム版も演出や展開を始めとしてとても面白いゲームの一つですので、ゲームを遊んだならこちらの漫画も、漫画を読んだならゲームも、遊ぶことをおすすめします。

余談

カバー裏はサチコと雪の支配者コンビ。

最後の犠牲者の少女達の制服は、4巻の特典イラストと同じだったり。