夕闇通り探検隊 感想日記 その32 ~電車の積荷は重いオモイ~

これまで何度か噂の舞台となってきた駅西のガード下。この噂ではいよいよ、そのガード下に巣食う悪霊そのものと対峙することになります。

新王子線の呪いの噂

新王子線で人身事故が起きたらしい。もはや珍しいことではないようだ。あの路線自体が呪われているとおトイレ軍団のイワセは言う。

しかし、駅の西側のガード下は彼女からしたら大した場所ではなく、そこにいるのは11人の霊だそうだ。

3人で相談した情報をまとめると、クルミに見える黒いのは以前よりもその数が増えていること、最近また人身事故が発生したこと。西側のガード下がヤバイ場所なのは全く変わっていないどころか、より危険になっている様子。

また、新王子線自体も「白い遺書の噂」で示されたとおり、3日連続で事故が起きるなど、それ自体が呪われていると考えるのも不思議ではない状態です。

本当に霊がいるのかどうか確かめる為、まずはナオがガード下を通ってみたが何かの気配を感じたナオは逃げ出し、それにすっかり怯えてしまった。「死者は寂しいから新しい事故を呼ぶ」と、殺される感じを覚えたらしい。

今度はサンゴが通ってみるものの、そこには11枚のいかがわしいチラシが貼り付けてあるだけでした。そこを通り掛かるサラリーマン。「ガキが偉そうに」と、子どもの目からこういうものを隠す努力を大人はしないと言ったサンゴに吐き捨てて行きました。

クルミの孤独な戦い

結局、サンゴは何も知覚できず、ナオは殺意を感じただけの結果に。

ところがそれ以来、2人の様子がおかしい。普段ならあり得ないような言い争いをして絶交寸前の状態に。そしてクルミだけはその原因が分かっているらしい。

ナオが最初にガード下に入った時から、そこで「何か」を取られたのがクルミには見えていたようです。そしてサンゴも取られてしまった為に、今の2人はおかしくなっていると。しょうゆ婆と相対した際の経験から、2人に起きたことが分かったのでしょう。

2人が取られたものを取り返すべく、たった1人でガード下に入るクルミ。すると、弟のコウ君や両親の姿をした何かが現れ、クルミを精神的に追い詰める。「本当は嫌い」「いらない子」「消えろ」と激しく攻め立てるソレに対して、「返して!」と叫び続けるクルミ。

ガード下を更に進むと、目に飛び込んだのは11人どころではない無数の人の霊、そしてようやく見つけたガード下の悪霊の本体。それは天井にある、顔のようなシミでした。カスカの言葉を借りるなら、電車に乗って陽見に運ばれてくる沢山の人達の負の感情、それが溜まり集まって形成されたモノ。クルミはソレに対し「返して!」と叫ぶ。

「代わりをもらったから」と、ナオとサンゴが取られたものを取り返すことに成功したクルミですが、その直後に上から聞こえてきたのは、陽見駅構内で人身事故が発生したというアナウンス。代わりとはつまり・・・

すっかり元の様子に戻ったナオとサンゴ。天井のシミに気づかなかったので改めて見に行きましたが、ただのシミにしか見えないということで検証は終わり。

今回の検証で思う所があったのか、西のガード下が今後もホラースポットで無くなるとは思えないとサンゴは言う。場所の役割とでも言うものがあるなら、あのガード下は陽見の様々なヨゴレを引き受けている溜まり場ではないかと。近々あのガード下は取り壊されることになったようですが、場所の役割を考えるとまた別の場所が同じような溜まり場になるのは想像に難くありません。

ラスボス戦前の中ボス戦

これでもかと言うほど、人の悪意を凝縮したガード下の悪霊。その正体が一人や二人ではなく、無数の人々の負の感情の集合体が更に犠牲者を取り込んだモノならばあの悪辣さも納得です。

ガード下は普段通らなかった為この時まで気づきませんでしたが、誰で通るかによって長さが変わるとは間違いなくホラースポットですね。サンゴなら東側と全く同じ長さですが、ナオやクルミは随分と長いですし。

カスカに会いに行くと警告される通り、下手をすればクルミも「何か」を取られ、3人の仲が壊滅的になっていた可能性も十分にあり得たことでしょう。

クルミが頑張れた理由は、最後に言った「サンゴとナオとメロスと一緒に色んな所に行ければ嬉しい」という、クルミの2人と1匹への純粋な好意。つまりこれまでの散歩の積み重ねがクルミの原動力になっていたわけです。

クルミはこれからも、彼らとの楽しい散歩の毎日が続くと信じて疑わないのでしょう。ですが、その終わりはもうすぐ、唐突に訪れることになります・・・

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