ランニングマーン!否、バトルランナーを観ました 感想

この世にあるテレビ番組の中でも何と言ってもイッチバン面白いものは?

「「「ランニングマーン!!」」」の語録などで港湾労働者組合の皆様にはお馴染み、「バトルランナー」が先日BSで放送されることを偶然目にしたので録画、視聴しました。久しぶりにシュワちゃん映画の制覇が1本進みましたね。

ザ・肉体派出演者

本作は最初に世界設定が説明され、警察国家となった2017年のアメリカにおいて、特に下層市民の生活は悲惨の一言。そんな彼らの娯楽はテレビのみという、まぁつまりテレビは好き放題に都合のいいものを流せるものになっているわけです。ここ重要。

そんなバトルランナーの世界でシュワちゃんが演じるのは元警官の「ベン・リチャーズ」。食料を求める市民への発砲に反対した結果強制労働施設に放り込まれるも、反政府ゲリラの人間と協力して脱走に成功。弟を頼りに彼の住居に来るも、再教育を受けさせるという名目で国の施設かどっかに送られておりそこには別の住人が。これがヒロインのアンバー。

彼女を半ば脅迫する形で国外逃亡しようとするも失敗し、その身体能力に目を付けられ国の大人気番組「ランニングマン」に出演することを強要されるリチャーズ。先の脱走時に協力したゲリラの2人を人質に取られ、彼らと共に命懸けのバラエティに参加する。そう、「ランニングマン」とは犯罪者をバラエティの体で処刑する番組だったのだ・・・

という流れ。勿論シュワちゃんは自分を殺しに来るハンター達を返り討ちにし、そしてランニングマンの舞台が偶然にも反政府ゲリラ達によって非常に重要な場所だということが明らかになり、終盤には怒涛の逆襲が始まる・・・という流れ。

メディアに洗脳、煽動される愚かな民衆達

この作品、バラエティ番組を舞台にしていますが、一方で犯罪者をリアルタイムで処刑するという悪趣味な番組に民衆は熱狂し、その生き死にで賭けまでやっているというこの世の終わりみたいなモラルの無さ。

更に番組側もリチャーズやアンバーの経歴を捏造して最低な犯罪者に仕立て上げる、合成映像で戦わせてスタントマンを死に追いやってまで番組側に都合のいい終わり方を放送する等、歴史はスタジオによって作られると言わんばかりにやりたい放題。これを頭っから信じ込んでいるんだから見ている連中は本当に救いようがありません。

そして終盤、反政府ゲリラのジャックによって真実が放送され、リチャーズが番組司会者を処刑した姿を見て民衆は熱狂しますが、これもまたテレビに突然流された真実か嘘か分からない映像を見てコロッと態度を変え、リチャーズをまるで英雄化のように称える姿は正直ゾっとする所があります。爽やかなED曲が流れ始めてハッピーエンドみたいな雰囲気で終わりますが、そう感じられないのは私だけではないでしょう。

アニメの星のカービィでもテレビ初登場回で同じような内容の話をやってたりもありましたが、とかくメディアの情報を簡単に信じる民衆の愚かな姿という構図は、何十年も前からフィクションでも描かれ、そして現実において今でも一定数そんな風に騙されている人達がいたりします。ネットで嘘がすぐ見破られるようになった昨今では、いずれそれも終わりを迎えるでしょうが。

色々あるけどシュワちゃん映画らしいシュワちゃん映画

シュワちゃん主演の筋肉映画でありながらも風刺のきいたテーマも題材にしているというちょっと異色な映画でもありますが、ストーリーそのものはハメられたシュワちゃん達が協力して刺客たちと戦い、仲間の犠牲を乗り越え巨悪に打ち勝つ勧善懲悪もの。放映は1987年ですが、この時代のシュワちゃん主演映画だけあって翻訳と吹替もセンスの溢れるものばかり。コマンドーMADで聞いたことがある語録もチラホラあります。

「見たことがあるよ テレビに出ていたアホだろ」「友情は大切にしないとな」「変なのが来たわ」「格闘技の美学を説きたいならよそでやってくれ」etc・・・

そしてバラエティ番組という体裁もあってか、シュワちゃん達の命を狙いに来るハンター達は凶悪ながらどいつもこいつもテレビ映えを意識した妙な装備。体中に電飾付いたスーツを着た変な放電野郎、ザ・フューリーの元ネタにしか見えない火炎放射器&ジェット噴射で空を飛ぶ奴、バイクに乗ってチェーンソーダッシュをするヒルビリーみたいなの。そもそも最初に出てくるのがアイスホッケーの装備した奴な辺り、悪趣味ながらバラエティ番組であることが強調されており、実に独特な雰囲気の作品です。

シュワちゃんの筋肉も全編に渡って如何なく発揮され、序盤と終盤には勿論ドンパチもあり。シュワちゃん映画好きなら是非ともチェックしておきたい一本です。

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