ソ連式の方が能率的だ レッドブルを見ました 感想&レビュー

見たのに一本だけ感想記事を忘れてた「レッドブル」を今夜はご紹介します。

冷戦中に作られた映画史に残る作品

この作品の公開は1988年で、東西はまだ冷戦中。そんな中作られたこの映画、アメリカ映画では初めてモスクワ市内と赤の広場での撮影を許された作品だとか。44年続いた冷戦はこの翌年に終結。この映画が作られたこと事態が、冷戦の近い終結を裏付けていたとされているとか。中々興味深いですね。

シュワちゃん主演の映画としては、コナン・ターミネーター・コマンドーそしてプレデターの後に作られており、シュワちゃん全盛期作品の一つです。

ターミネーターっぽい主役

この映画でシュワちゃんが演じるのは、モスクワ警察のイワン・ダンコー大尉。・・・うん、シュワちゃんがロシア人なのかというツッコミは無視するぞ?

イワン大尉は常に表情は硬く、声も殆ど荒げることは無い、要するにターミネーターみたいな演技のキャラ。しかし当然ながら主役、それも警察官。決してビクトル逮捕の意志と決意が揺らぐことも折れることも無く、最後までその信念を貫き通す熱い男です。

そしてそのダンコーの相棒リジック刑事。優秀だけど不真面目なシカゴのデカ、ダンコーとは国や性格の違いもあって衝突はしながらも、協力してビクトルを追い求めていきます。この2人の交流と凸凹ぶり、そして友としての別れも大いに注目すべきポイント。

冷戦の時代に、ソ連とアメリカの刑事が友情を育みそれぞれの国に帰る。世界の明るい未来を感じさせるラストです。

シュワ映画の中でも最高峰の翻訳と吹き替え

シュワちゃん映画をいくつか見た中でも、この映画の翻訳のセンスは凄まじい。ネットで少し調べれば出てきますが、コマンドー並かそれ以上の名言の宝庫。

そしてそれを実際に口にする声優陣の演技も素晴らしいの一言。言葉の一つ一つの耳障りが良く、聴いているだけでも楽しめるほどです。

特にリジックの声は「今夜ヒマかい?」を始め、実に軽妙な話し方で抜群の吹き替え。コンビ揃って完璧なキャスティング。

これぞ悪といえる悪役、ビクトル・ロスタ

本作で最後まで一貫して敵として追い求めるビクトル・ロスタ。他のシュワ映画の悪役のような、巨悪だけどどこか抜けていたり、何故か小物感がしていたり、妙に苦労人っぽく見えたり、笑える最期を迎えたりという要素は一欠片もありません。

彼自身の笑えるシーンと言えるものは一つも無く、彼自身もコミカルな部分は一切ありません。徹底して冷酷な悪役を貫き、自分以外の味方や取引相手も不要となればすぐさま切り捨てる冷徹さ。

自分を極悪人だと自覚しながらも、悪の法の下に生きる様はカリスマ性をも感じさせるほど。ダンコには兄弟を殺された彼もまた、ダンコとリジックの同僚を殺しており、仇と仇の連鎖の中にいる関係。

仇でありながら、ダンコをどこか尊敬している節もあり、中々魅力的な悪役です。

とてもオススメのシュワ映画

コマンドーしかシュワ映画を詳しく知らない諸兄に、是非ともオススメしたい一本。シリアスなドンパチシーンと軽妙な吹き替えの掛け合いが同居した、最初から最後まで飽きない作品です。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

関連記事(一部広告)