246話と247話で語られた内容を基に振り返ると、各キャラや隊の見え方がだいぶ変わって来そうなので、いくつか振り返ってみようと思います。とりあえず香取隊の状態が最悪なことが分かる16巻のB級ランク戦ROUND5直前の部分から。
香取隊は思っていた以上に初登場時点でどん詰まり
香取隊の本格的な初出は14巻の123話「ガロプラ②」。この時点で何か、珍しくギスギスした部隊だなぁというのは分かる顔見せだったけど、ログすら見る気が無い時点で香取が「隊長としての務め」を満足に果たせていないのが分かる。また、三浦は惚れた弱みもあるのか香取の太鼓持ちで強く出れない、若村も苦言を呈するけど具体的なことは話さなかったりと、この時点で既に「足踏み」が酷い状態だというのが察せられる。
次は16巻でランク戦が始まる137話「香取隊」。玉狛第二と柿崎隊のブリーフィングの様子と並行して描写されてるので、余計にひっでーなこの部隊って印象が強いのだが、改めて読み直してみると・・・うん。
えーとまず、千佳の友達がネイバーに攫われたことはこれからやるランク戦には関係ないんだ、ジャクソン。んな情報いらないんだ。ついでに言えばユーマが加古さんにスカウトされたこともどうでもいいんだ。お前は役立つ情報は何か仕入れていないのか。悲しいけど香取の「だから何?」という言葉が色んな意味で正論だわ、これ。「これ以上順位が落ちたらどうする」ってのも、なんか他力本願な物言いになってるのが今なら分かる。
ROUND8前のブリーフィングも断片的なものだったけど、得点の殆どを香取が取って2人がサポート、で結果が出続けてしまっていたから普段から作戦会議もろくなものにはなっていないんだろうなってのは想像が付いてしまうんだよな。ここでもっと話していた所で、何か具体的な策が講じれていたかと考えると、多分その可能性は低い。
でもって、その次の「負けたらそれが今のうち(香取隊)の実力」って言葉もまぁ事実。香取が通用しない限りはどうしようもないから中位落ち。けど、今にして考えたら若村も三浦も個人ptが十分あるのに香取が落ちたら実質終わりなのも変な話。アタッカー1人とガンナー1人がいれば十分戦いにはなるはず。特にユーマと斬り合えてた三浦の実力を考えたら余計にそう思う。
香取が突っ込むのをサポートする以外の、単独での戦いはおろか三浦が前線で若村が後衛っていうシンプルな陣での連携すらしたことがなかったのかなって予想。どちらもカメレオンを持ってるのに、姿を隠して接近して奇襲っていうカメレオンの強みも十分に発揮し切れていないのかもしれない。
というか、常に香取が点を取るってことは、人数が揃う時は常にサポート、合流出来なくても勝手に香取が点を取って終わるか有利になってる、みたいなケースばかりならそりゃ実力が付かないか。
・・・でもって、若村の言った「ちょっと負けたくらい」とか「ちょっと躓くたびにコロコロやること変える」が、このタイミングで言うことじゃなかった感が凄いする。相当へこんでるって三浦の分析も確かだろうし、口では適当に見せていただけで、香取なりに躓くたびに現状を変えようとして色々試していった結果なんじゃないだろうか。まぁ性格的に、絶対素直に言わないだろうけど。
そもそも、アタッカーだった香取が紆余曲折を経てオールラウンダーになったことで香取隊の手札が増えてるわけで、むしろそれがあったから今の順位まで来れてる可能性もあるのに、やることをコロコロ変えることをろくろーがマイナスに捉えているのもよく考えたら変な話なのでは・・・?でも性格的に、コロコロ変えるのが不真面目に映ってたのかな。凄いのに本気でやらない勿体ないやつみたいに思ってるし、なんかこの辺はお互いに考え方や認識の齟齬で擦れ違いが極まってた感じがするね。
上級者の壁も言い訳じゃなくて実際に厚いわけだし、でもそれも香取が真面目に本気でやれば越えられるだろって何も知らずにろくろーは思ってたのかなぁ。既にぶち当たってるかもしれないのに、まだ壁に当たってないって思ってたわけだし。図星な部分もあれば絶対に言われたくないような部分、諸々が詰まった「なに熱くなってんの……だっさ」なのかな。これ、多分ろくろーだけじゃなく自分にも向けて言ってるよね。「ろくろーにそんな風に思われてるのに何で頑張ってんのバッカみたい」とかそういう感じで。
あとまぁ、「ガンナー2年やってて犬飼に師事もしててマスターに届かない?」って違和感もあったわけだけど、これも今回の話で疑問が解けたか。香取が天才肌なのも事実だけど、結局はランク戦以上に実戦に近い経験値を積める機会は無いのに、そこで経験値を積んでるのも点取りにメインでバトる香取だけなんだもん。他の隊なら得られたものも得られない、ってのも香取隊の問題点か。
あと、華さんが3人に何も言わないのは・・・なんでなのかなぁ。人の悪口を言いたくないって考えてるから、香取と若村のヒートアップを止めようとするとどちらかが悪いみたいに言ってしまいかねないから、敢えて何も言わないのかな。そこがイマイチ分かり辛いところなんだけど、並列処理が他のオペより低めなので、3人をバラけさせる作戦が取れなくて、結局は香取が突っ込み2人がサポートが最適の形に落ち着いてしまってる所もあるのかもしれない。
客観的に見ると、躓いても思考停止をしていないから、まだある程度は隊長としての務めを果たそうとしていたことになるのかな、香取は。スパイダーも使ったり、自分の成長と変化は続けてるし。ただ、自分が点を取るのが全てのチームだから、自分が強くなる以外の選択肢が自分にも若村達にも無い。元からの知り合いだけで組んだから決定的な亀裂が入ることも無いけど、内々で完結しちゃってるから外部からの変化も受けることが無い。完璧に行き詰ってる隊だったんだなと分かる。
こうして考えると、強制的にバラバラにさせるのは香取隊に必要な事だったんだろう。