ハッピーシュガーライフ 7巻 感想

生きるために愛するのではない、愛するために生きるのだ。

衝撃の純愛漫画こと「ハッピーシュガーライフ」の7巻が発売。今回はアニメイト等でアクリルキーホルダー付きの限定版も発売しています。そして発売と同時にジョーカー本誌や単行本の帯でテレビアニメ化が発表されました。

いやー、人気や知名度を考えるといずれはと思っていましたが、このタイミングで来ましたか。しかし1クールだとするとどういう終わらせ方にするのか気になる所。しょーこが退場する辺りが一区切りにはなりますが、割とアニメオリジナルな終わらせ方をしても問題ない内容ですからね。ともかく、夏まで楽しみに待つとしましょう(この調子で恨み恋もアニメ化して良いのよ?てかアニメ化少ないんだよガンガンジョーカーは!!高橋さんが聞いているもアニメにならないとかおかしいだろJK)。

二人の愛は、大人たちに起因する

7巻の収録範囲では1冊丸々が回想となっており、これまで断片的にしか語られてこなかったしおがさとうと出会うまでの背景が明らかになりました。

まぁこれまで見てきた通り、父親の方はクズだとは分かっていましたが、ここまで酷いとは。道端で少しぶつかったくらいで孕ませ、結婚したら家には帰らず、親が亡くなったら遺産を全て独り占めし、その金も数年で使い果たし家に戻ってきた。そしてしおと母親が出た後、5年もの間あさひへ暴力を振るい続けて酒びたりの毎日を過ごしてアル中でお亡くなり。ここまで考えうる限り最低最悪な男を描けるのは凄いです。

一方のしおの母親は、親の選んだ通りの平凡な人生を歩んでいましたが、前述の通り奴とぶつかったことでその人生は地獄へと変わりました。両親をも失い、頼るものすらいなくなった彼女に、いつまでも地獄の日々が耐えられるわけもなかった。しおはいつの間にか、いるだけで彼女の心を壊す存在になっていたのです。

・・・しかし一方でこの両親もまた、親達が子への愛より自分達の人生を優先したことで誰からも見捨てられてしまった、愛の被害者とも言える存在。そんな彼らの子どもが、幸せや愛を正しく理解して育つことが出来るわけもなかったのです。あさひが6巻で「オレにはその幸せの形しか理解(わか)らないんだ」と言った理由も、こうも詳細に描かれれば納得出来ますね。

そして、二人は出会った

しおには、お母さんの心が瓶のように見えていました。それは今にも壊れそうにヒビ割れた瓶。直そうとしたけど失敗して、恐らくそれは割れてしまいました。

さとうは叔母の歪んだ愛を見ながら育ちましたが、自分がそんな風に男と交わっても心の瓶は空っぽのままで、自分にとっての愛が分からないままでした。しおにとってお母さんは自分が生きる為に必要な人で、彼女を愛していたわけではありませんでした。

空っぽな心の瓶を埋めてくれる存在を探し続けていた少女と、瓶が割れて捨てられてしまった少女。二人が出会い、さとうの瓶の中が満たされ、しおを生かしてくれる存在と化したのは、ある意味必然だったのかもしれません。

松坂さとうは、愛の為に、しおの為に生きている。きっとその果てに命を失おうとも、彼女には決して後悔は無いでしょう。

愛の逃避行は、どこへ辿り着くのか

本誌掲載の先行分では、さとうが叔母と、あさひが太陽と再び対面し、更に事態は変化を迎えています。さとうは叔母からの協力を得、あさひは太陽を従えさとうに近づきつつあります。

彼女達の愛の行方は如何に。次号8巻が出るのは、アニメの放送開始前後となるでしょう。

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