ジングルオールザウェイと一緒に借りた、「エンド・オブ・デイズ」も視聴しました。
簡単な作品とシュワちゃん紹介
1979年、一人の赤子が産まれました。彼女はサタンと交わる為に産まれた存在で、産まれると同時に呪いを施されました。
それから20年後の、ミレニアム目前となる1999年の暮れ。警備会社勤務のジェリコは、護衛の仕事で舌のない神父を捕らえます。奇妙な来歴の彼を調べていく中で、ジェリコは図らずも世界の命運を掛けた大事に巻き込まれていくのでした・・・
ヨハネ黙示録のサタン復活の記述と、2000年問題を掛け合わせた内容。サタンと交わる女クリスティーンを巡り、彼女を信仰によって守ろうとする教会、彼女を殺して世界を守ろうとするバチカン、彼女を銃で守ろうとするジェリコ、何としてもクリスティーンを手に入れようとするサタンとその信奉者達がぶつかります。
シュワちゃんが本作で演じているのは、警備会社勤務の元警官であるジェリコ。かつては神を信じる敬虔な信者でしたが、証言の報復で妻と娘を失ったことを機に信仰を捨てました。今も罪の意識に苛まれ、神を信じなくなった彼の考えと行動が物語の行方を大きく左右していきます。
地獄の悪魔が筋肉に襲い掛かる
クリスティーンと交わることで完全な復活を遂げ、世界を滅ぼそうとする本作の敵サタンは、シュワ映画最強の悪役。オカルトの極みと言える存在故、その力は人知を軽く超えています。
ただのパンチで人の頭を粉々にし、小便がガソリンとなり、火を落とすだけで大爆発を起こし相棒のシカゴを爆殺。人を操るわ幻覚は見せるわ、銃弾程度では肉体も損壊しない等、やりたい放題です。
ジェリコに対しても幸せな幻覚を見せて味方のフリをして懐柔しようとしたり、集団でボコボコにして十字架にして貼り付けにするわ、死人まで生き返らせて操る等、終始圧倒的優位を保っていました。
ブチギレたジェリコがフル装備し、乗り込んできてからの最後の戦いでも、焼かれても電車に轢かれても物ともせず追跡し続け、爆発で肉体が消し飛んでもジェリコに憑依までして最後まで抵抗。
そこまでやっても、ジェリコとは相討ち。ジェリコは命を落としましたが、サタンはまた1000年後に蘇るでしょう。地獄のサタンですら相討ちが限度とは、つくづく筋肉って凄いなと思います(違
救いをもたらすものはなにか
一度は神への信仰を捨てたジェリコ。神と銃なら躊躇わず銃を選んだ彼も、最後には銃を捨て神に救いを求めました。サタンに屈することなく自害を選び、復活を阻止した彼に神が救いを与えたのか、愛する妻と娘が迎えに来たのを目にし、ジェリコは事切れました。
妻と娘を失ってからのジェリコは、毎朝自殺未遂を繰り返し、序盤の仕事でも死ねなかったことを残念がっていたように思います。神を捨て銃を選んだという彼は、妻と娘と同じように銃で死ぬことによって救いがもたらされると思っていたようにも見えます。しかし最終的にはもう一度神への信仰を取り戻したことにより、救いのある死を迎えられたように見えます。
ある意味、ジェリコはこの終わりの為に作中でも死にきれず生きてきたのかも。
死んだという一点ではバッドエンドですが、妻と娘を亡くし罪悪感を抱き生きていたジェリコに必要だったのは「救い」。それを手に入れることが出来た結末は、ジェリコにとっては良かったはず。
ただ、信仰だけでは守れなかったのも事実。神か銃かどちらかを選ぶのではなく、正しくはどちらも必要だったということか。ただ縋るだけではどうにもならず、自分の力で道を切り開いていった上で、どうにもならなくなったら神に祈る。そういう姿勢が大事なのでしょうね。
ちょっと怖いが見所満点のアクション映画
宗教や悪魔絡みということもあり、ホラーな部分もある作品ですが、序盤のヘリも使った迫力のある追跡劇、建物内や地下でのドンパチアクション、サタンの力による爆発や超常現象の数々、その憑依したサタンの役者の迫真の演技等、見所は盛り沢山。
2000年問題とサタン復活を掛け合わせたシナリオ運びとそこに渦巻く思惑の交差、その中で翻弄されるジェリコの行く末、立ちはだかるサタンの存在感にも注目。