金を盗んだのは誰だ サボタージュを見ました 感想

さてさて、「サボタージュ」も視聴しました。パッケージが何かシンプルにシュワちゃんの顔のアップだけというダークな雰囲気でしたが、蓋を開けてみればコラテラル・ダメージ以上に後味の悪い結末で、何度も見たい作品って感じじゃなかったですね。

しかしシュワちゃん主演には珍しく、プライム会員は見放題だったりするので気になる方はいつでも見れますぞ。

消えた1000万ドルと崩れる信頼

ある女性が拷問を受け惨殺されてから8年。麻薬取締局の凄腕捜査官であり「ブリーチャー(破壊屋)の異名を持つジョン・ウォートン(今回のシュワちゃん)は、チームの部下達と共に麻薬組織のアジトへ摘発に向かいますが、実は今回は麻薬の摘発とアジトの壊滅だけでなく、当局に気づかれずにアジトに蓄えられた闇金の一部を盗み、自分達の懐に入れることも兼ねていました。

しかし盗んで密かに下水道へ流したはずのその10万ドルは忽然と消えた上、彼らは闇金の持ち逃げの容疑をかけられ、当局からの信頼を喪失。ようやく現場復帰を果たせたのはそれから半年も経った後でした。

ジョンは自分の命を賭して半年の間に失われたチームの結束を取り戻し、祝いに酒をしこたま呑みますが、その夜にメンバーの一人が目を覚ますと、何故かキャンピングカーに閉じ込められた状態で線路に放置。脱出は叶わず、彼は無惨なミンチとなってしまいました・・・

一度疑いだせばもうキリがない

一人、また一人とメンバーが死体となって発見され、敵のアジトと思われる組織を摘発しても空振り。元々1000万ドルが消えたことで燻っていたチーム内での不信感、職業故に命を狙われる相手なんて山ほどいることによる焦燥等もあり、彼らはすっかり疑心暗鬼に。誰が殺した、1000万は誰が隠したと罵りあい、不倫までバレたりとチームは崩壊。

その果てには白昼堂々、チームのメンバーを狙撃して殺害、民間人を脅して囮にしてジョンを抹殺しようとし、それが失敗して逃走中に民間人に死傷者を出すという最悪の事態にまで発展。結局、メンバーは全滅。生き残ったのはジョンだけになってしまいます。

・・・が、実はジョンこそが1000万ドルを隠した張本人。彼は8年前に麻薬王と呼べる存在を逮捕しますが、その報復に妻と子を拉致され殺されており、復讐の為の情報を得る為に大金を欲していました。最終的に復讐は果たしましたが、結果的に彼はそのせいでメンバーを全滅させてしまったのです。

良い所もあるがなんか微妙

「そして誰もいなくなった」を元にしているだけあり、一人ずつ消されていく恐怖、誰に狙われているのか、誰が裏切っているのか分からない疑心暗鬼の状況の緊張感、終盤の白昼堂々のカーチェイス等は見所がありました。

しかし一方で、話の流れがよく分からなかった。チームの崩壊までに消されたメンバーは3人いましたが、それらを消したのはメンバー内の紅一点であるリジーとその不倫相手のシュガー。まず前科者を使って一人を殺害し、その後用済みとなった彼らを殺害、その体の一部を儀装に使い、2人のメンバーを殺害した・・・という流れで良いのかな?それとも最初の一人は完全に報復で殺されたのか、この辺が分からない。

実際これらの儀装は成功し、捜査を担当する市警の女刑事キャロラインに対してジョンが情報を提供し、そこから得られた情報で敵の潜伏先と思われるアジトへ摘発に向かいましたが見事に空振りに終わっています。

しかし、リジーがメンバーを裏切った理由が「金を盗んだから」という、よく分からないものなんですよね。確かに彼女はヤクに溺れていて正常な判断能力なんて無いのでしょうが、盗んだからと言って何故殺す必要があるのか?誰が盗んだかも、金の在処も分からないのに殺してどうするつもりだったのか、意味が分からない。シュガーも何故それを止めないのか。いくら1000万ドルが掛かっているとはいえ、儀装は計画的なのに動機が全く計画的じゃありません。

主人公であるジョン=シュワちゃんはグラサンや葉巻などのシーンが多く、「ボス」の風格が存分に出ています。特にラストの一人静かに葉巻を吸う姿は哀愁を誘うと同時にカッコいい。一方で前述したように復讐の為にメンバーを全滅させてしまったことや、キャロラインに情報を渡さずに逃げる為とはいえリジーを自ら手に掛けたりと、見ている側からするとその経歴に失望する行動と結末になっている。

作中で散々メンバーに信頼と結束を説いていたのにその原因は自分なのだから白々しいにも程がある。メンバーからも「自分達の心と魂」と呼ばれていたのに、実際には8年前に妻と子を殺された時から、ただ復讐の機会を待ち望んでいた男だったというのが彼の真の姿で、麻薬捜査官である前に彼もまた一人の人間であり父である、という構成は確かに良いのですが、正直その為に信頼を向けられていたメンバーを裏切っていたのはガッカリ。

それとまぁ、麻薬捜査とそれへの報復が描かれているのでグロいのは良いとして、無意味な下ネタがちょっと多すぎたのも個人的にちょっと不評。どういう方向に狙った脚本と構成なのか、イマイチよく分かりませんでした。ただまぁ、老けたシュワちゃんがドンパチやっている映画なので、老けたシュワちゃんを存分に楽しみたいって人には良い映画だと思います。そこは文句なしにベネ。