ガールズ&パンツァー 劇場版Variante 2巻 感想&レビュー

戦車道の素晴らしさを語る亜美、卒業した後の大洗の為に張り切る桃、上に立つもの同士通じ合うケイと会長、苦境だからこそ燃え続けるキャプテン。

そしてそど子は・・・グレた。

「ガールズ&パンツァー劇場版」の漫画版、「ガールズ&パンツァー劇場版 Variante」の2巻が本日発売となりました。

アミ&ケイ

今回、大洗の面々以外で各回のメインを張っていたのは亜美とケイの2人。

蝶野亜美はみほ達を見守る立場にある。大人としても、戦車道の先達としても。そんな彼女の視点から見るエキシビション、自身の経験からそれを見ている人々へ語る戦車道の素晴らしさ。こういう役割は立場的にも彼女こそピッタリです。それを一番近くで聞いたのが戦車道をやっていない大河というのも良い配置。

ひょっとしたら最終章では大河が戦車道の受講者になっていてもおかしくないような、そんな雰囲気を感じさせます。

ケイは大学選抜戦では地味な役割に徹して映像映えしない役回りになっていましたが、8話では戦車道の先輩として梓を導く一方で、似た立場故に会長の辛さを察していたり、サンダースという大きな学校の人間として自分達がやるべきことを認識していたりと、彼女の器の大きさと性格の良さがこれでもかとクローズアップされていました。

この回だけでケイのファンが増えても何らおかしくはないでしょう。

紡いだ行間の描き方が絶妙

2巻の範囲はエキシビションが半分と、退艦からの小学校での生活の途中までが収録されていますが、映像では20分程度のこのエキシビションと大学選抜戦の合間のシーンに、非常に多くの追加がされています。

各チームに台詞が増えているのは勿論、潮騒の湯でバレー部に勧誘される柚子、ねこにゃーとみほのクラスメイト設定をここで持ってきて、ねこにゃーから見たクラスでのみほの様子や別れる事への心配。カバさんチームとアリクイさんチームが一緒に遊んでいたり、自分のアレが貧しいことに項垂れる忍の傍で笑っている桂利奈・・・

「映像の行間ではこんなことがありました」というこれらの描写を、決して蛇足にはならないような形で挿入しています。特に大洗女子の面々が、チーム外のメンバーと絡んでいるシーンが多いのが嬉しい所。劇場版でも車長以外は殆どチーム内での会話しかないのが寂しいと感じていたので、そこを補完してるのは個人的に最高です。

劇場版のヒット後、コラボやグッズ展開はみほと各校の隊長ばかりになっていますが、やはり主役は大洗女子の面々であることをVarianteでは再認識させてくれますね。

過程もより丁寧になりました

前触れが無かったアリクイさんチームの肉体改造は、6話の時点からももがーに筋トレの必要性を認識する台詞を入れて、8話で早朝マラソンに参加すると言い出し運動を始める展開になっている為、この点が非常に丁寧な運びになりました。

非行に走ったカモさんチームも、戦車が届いた際に悲観する描写を入れてその後に夜の大洗を爆走していたりとやっていることと過程がより分かりやすく。パゾ美が愛里寿・ウォーの時みたいな不良の真似をしているのが上手い拾い方。

ちなみにそど子達が夜の大洗を爆走中に通っているのは、そど子とパゾ美の看板がある大進さんとミムラさんの前だったり、ツチヤとスズキが中の人の繋がりでダージリンとペコの真似をしている横に日野屋商店さんの豆乳が置いてあったりと、何気無い所まで細かくネタを仕込んでます。

ここまで昇華させるコミカライズは貴重

とにかくですね、言いたいことが多すぎてどこまで書けば良いか困るくらいの面白さ。

劇場版の良さを決して損なうことなく、キャラクター一人ひとりの魅力を引き出してもう一つの劇場版を作り上げています。

劇場版が好きな人なら確実にドハマリする面白さなので、是非とも読むべし。そしてガルパンや大洗についての知識が多ければ多いほど、より楽しめるでしょう。

ちなみに今回はメロンブックスで購入。柚子&ねこにゃーという意外な組み合わせの描き下ろしカードが特典となっていますが、この構図と組み合わせの理由は推測可能。

まずこの構図ですが、鉾田市の旭メロンのガルパンセット用の描き下ろしイラストが構図の元になっております。まぁ十中八九、「メロン」繋がりでしょう。

そして元のイラストではぴよたんなのがこちらでは柚子になっていますが、恐らく6月の一番くじのクリアファイルでこの2人のファイルが2枚組だったので一緒にしたのだと思われます。

ガルパンを深く知っている人ほど楽しみが増える作品ではありますが、これはかなり芸が細かい特典。

伊能先生、恐るべし。