ハッピーシュガーライフ 6巻 感想&レビュー

戦慄のサイコホラー、「ハッピーシュガーライフ」の第6巻が本日発売しました。激昂するしおが目印。

とらのあな特典は「ラフコレクション」。直近のガンガンjokerでの巻頭カラーと、今巻の表紙のラフが掲載されています。

愛は一心同体

さとうにとって、しおがいない人生など最早生きていないのと同じ。だからこそ、彼女はしょうこを始末した。しおと2人で生きていく為に、しおが傍にいる日々を絶対に守る為に。

しかし、それはさとう一人だけの思い。甘い城での生活の中で、しおもまた自分の為に頑張るさとうを守って、2人で生きたいと思うようになっていた。それに気づけなかったさとうは拒絶され心が壊れかけるも、しおの思いを知り再び甘いもので満たされていった。

最早2人は、互いがいないと生きられない。誘拐犯と無知な被害者の関係ではなく、2人で幸せに生きたいと願う共犯者同士。お母さんなんていらない。さとうが自分を幸せにしてくれると、しおは確信していた。

・・・とても大切な存在を、忘れたまま。

あさひが知っている母親の真実とは何か

最後の別れ際、しょうことあさひは携帯のアドレスを交換していました。これによりあさひは遂にしおの手掛かりを手に入れましたが、しょうこを失いました。写真のさとうは顔の上半分が隠れてますが、かつて介抱された時と髪や制服は一緒。間違いなくさとうに近づけるでしょう。

しおの思い出した記憶の中では、お母さんは父親のDVに耐え続けられず、しおを見捨てて逃げたことになっています。しかし、あさひが最後にしおと別れた時はお母さんにしおを託し、父親が死ぬまで一人で耐え続ける為に残ったはず。そしてあさひの回想では、お母さんはとても優しい人だと描写されています。

しおは一番大事な欠片を落としたまま。取り戻した記憶はお母さんのことだけで、あさひのことを全く思い出していません。

ここまでの経緯

一旦このタイミングで、1巻から5巻までを軽く読み直して、要点を確認しました。改めてあさひ視点で時系列を整理すると、

①しおとお母さんは5年前に2人で失踪。あさひは一人お父さんの下に残り、3人で幸せに暮らせることだけを信じてお父さんが死ぬまでの5年間耐え続けた。

②お父さんが死んだ為2人を迎えに行くも、そこにいたのはお母さん一人だけ。曰く、何もかも遅すぎたらしい。だからあさひはしおを探し始めた。

③探す過程でさとう達と出会う。さとうには気絶してる時に殺されかけ、太陽には嘘の情報で街から遠ざけられるが、しょうこから送られた写真で手掛かりを得た為、恐らく街に戻ってきた。

と、こういう流れになっています。しかし、しおの思い出したことはあさひを忘れているから当然ですが、あさひの回想とも食い違いがあります。

しおの記憶はどう食い違っているのか

これまでのしおの回想を見直してみるとお母さんの顔や声は早期に浮かんでたが、そのお母さんの幻影がしおを苦しめていた。言うことを聞かない自分を責める光景、DVに耐えて大丈夫だと言い聞かせる一方で絶望し後悔し、最後に自分を捨てた光景。

が、あさひについてはそのお母さんの幻影が「あの子が迎えに来る」「三人で幸せに」と誰とは言わずに存在を言及していますが、家族について考えた時に名前も思い出せない顔も分からぬ誰かとして頭に浮かんだだけ。

これまでの回想でも、あさひのことだけは全く思い出していませんでした。

あさひのことだけ記憶から抜けたままの為、傍にいたのはお母さんだけとなっており、お母さんはいらない、誓いを守れる人間はさとうしかいないという結論になっています。

回想を見直した範囲だと、しおの記憶は家を出る前と出た後が混ざっている印象。それと、優しいお母さんの記憶がありません。あさひの回想内の父親の言から想像すると、しおを連れて2人で家を出たものの、2人だけの辛い生活が長過ぎた為にお母さんは本来の優しさをしおに向けられず今に至ってしまった・・・とかかなぁ。

城の外には何が待っているのか

一方通行の愛は相思相愛へと変わり、誘拐犯と被害者だったさとうとしおは共犯者へと生まれ変わりました。しかしあさひも情報を手に入れたし、しょうこが消えたことも数日もあれば周囲が騒がしくなることは間違いなく、外の世界は前よりもっと危険に。

新しい城を探し外の世界へ出る2人にこれから何が待ち受けているのか、今後も注目ですね。

ちなみにヤングガンガンで出張掲載された2話も、今巻には収録されています。