夕闇通り探検隊 感想日記 その36 ~巡れ巡れ 想いよ巡れ~

人面ガラスに抗うナオの、長い一日。遂に訪れた、終わりの100日目。

陽見七神の噂

人面ガラスを見たあの日から100日。呪いが本当なら、今日クルミは死ぬ。どうすればいいか頭を働かせるナオ。思い出したのは、クルミが言っていたカスカという少女のこと。彼女に会えば何か分かるかもしれない。

町を駆け抜け、古街通りに辿り着いたナオ。その交差点に、今日もカスカはいました。呪いを解く方法を求めるナオに、カスカは告げます。想いは消えない、動かすものだと。想いは、良いことも悪いことも起こすと。私の友達のいる場所をあと6つ巡れば、満願成就。塀の裏側へ行けと言って、カスカは姿を消しました。

気が付くと、ナオは迷い通りにいました。カスカの言葉を思い出し塀の向こうへ行くと、壁には六芒星の落書き。先ほどカスカが、かごめかごめを歌っていたことを思い出したナオ。籠の中の鳥とは・・・と考えていると、「後ろの正面だあれ?」と声を掛けられる。塀の裏の坊ちゃんはナオには見えないが、代わりに一羽の鳩が飛び去っていった。

そこから、ナオは導かれるままに陽留見の七神達の居場所を巡っていく。切られる前の、聳え立つ鳴子の御神木様。老人の姿をとった、かぎしっぽの猫神様。アイバミナミの体を借りたキツネツキ。そして、姿は見せなかった森の天狗。

猫神は教えてくれた。陽留見を拓いた男女は、片や黒い烏に、片や森の滝となり、七ツ神の里となった。濁った念は淀みとなり悪しきものとなるが、その念の源は人の怨み。願いも怨みも、元を辿れば同じものであると。

キツネツキは教えてくれた。真にしたくなければ、その名を口にするなと。「あの娘」が憑いてから手に負えないと。井戸でもし逢ったら、お前なんかいないと、そう言ってやれば良いと。

天狗は示してくれた。石と枝で作られた陽見の地図を見ると、陽見の中心に最後の祠があることを。

クルミを助けたいという想いを抱き、陽見を巡ったナオ。その終着点となったのは、以前医者がおかしくなった、あの病院跡地。廃墟となった地下室に今一度入ってみるも、やはり以前と同じ、ただの廃墟。つまり、人面ガラスはここにはいない・・・

外に出て付近を調べると、フェンスの奥に道が続いているのに気づきました。ナオは、その先へと足を進めます。医者の話とキツネツキの話、両方に共通して出てきた「井戸」の存在。それは恐らく、この先にある・・・

ナオと人面ガラス、三度目の邂逅

一方、サンゴはまだ塞ぎ込んでいました。原稿が手につかないことをトモキさんに電話で謝ろうとしますが、帰ってきたのはいつもと違う様子のトモキの言葉。まるでもう一人の自分であるかのように問い掛けるトモキに対し、子どものまま、「サンゴ」であることに拘るサンゴに失望したトモキは、別れを告げました。「あなた」はもっと苦しみなさいと・・・

ピエロの歌が聞こえてくる道を駆け抜け、ナオは森の奥へ辿り着きました。そこにあったのは陽見を見渡せる丘と、封鎖された井戸、そして鳥塚。13年前、移設前の烏塚はどこにあったのか?その答えは井戸と共に目の前にありました。

そこへ飛来した人面ガラス。マンションの管理人さんや医者のように、自分達も無惨に死ぬと恐慌に陥ったナオ。その耳に聞こえてきたのは、サンゴの声。「何やってんの、ナオッ!」その言葉に自分がここに来た意味と目的を思い出し、ナオは人面ガラスに心の底から叫びました。

「お前なんかいない!」「呪いなんてない!」「全部、自分が作り出したものだ!」と。

ナオが心の底から存在を否定したことで、人面ガラスは消滅。助けに来てくれたサンゴとメロスに駆け寄るナオの耳に、カスカの声が聞こえてきました。

想いは巡るよ ぐるぐる巡るよ

全ては人の念、人なくして神もまた在らず

人面ガラスの正体は井戸の底で死んだ精神病患者の少女の怨念が、陽見を巡る澱んだ念と、恐らく場所的に烏塚に元からいただろう烏神をも取り込み、生まれてしまったもの。それ故に、七つの神でありながら唯一の祟り神であったと。

そして夕闇の世界において、彼ら超常の存在はそれを信じている人々の念が支えている。特に人面ガラスは誰よりもナオが存在を信じていたが為にその存在は強固なものとなっていた。

信じているが故に呪いが真実なら、降りかかる厄災も結末も真実。あの少女がナオの霊障イベントでのみ現れるのも、呪いを信じているのが3人の中ではナオしかいないから。ナオが霊障エンドで壊れた医者とほぼ同じことを口にしているのも、「呪い」を信じる者という共通点がある。

しかし言い換えると、信じていなければ陽見を守る神様も呪いも存在しない。その為、カスカは覚えている最後の人間のお婆さんが亡くなり、消えることを余儀なくされました。

「呪い」という、目に見えないものを信じるか否か。夕闇通り探検隊は、一人の少年が100日もの時間を掛けてその存在を否定するに至るまでの物語、という側面もありますね。

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